SA 付き Microsoft 物理コア

9.2.6 から使用可能。「SA 付き Microsoft 物理コア」メトリックは、Microsoft 製品のライセンス・コストを求めるために使用します。これは、対象となるソフトウェアがインストールされているホストにデプロイされている物理コアの数に基づきます。対象となるソフトウェアが複数のホストにインストールされている場合は、それらすべてのホストのすべてのコアが、メトリック使用量に寄与します。このライセンス・タイプは物理コアに基づいているため、ソフトウェアが物理ホストにインストールされているか仮想マシンにインストールされているかにかかわらず、同じ数のコアが割り当てられることになります。

Microsoft では、プロセッサー・タイプに応じて、必要なライセンス数を計算するために適切なコア係数を適用することが求められます。BigFix Inventory によってレポートされるコアの数は、いずれのコア係数も適用されていない実際の物理コア数を表しています。ライセンス交付可能コアの最小数は、1 つの物理プロセッサーにつき 4 つです。これは、1 つのコアまたは 2 つのコアが存在するホストの各プロセッサーに 4 つのコアが割り当てられるということを意味しています。

サポートされるソフトウェア

メトリックのレポート処理は、Microsoft SQL Server 2012、2014、2016 (Standard および Enterprise) でサポートされています。

要件

検出された Microsoft ソフトウェアの物理コアの数をレポートするには、ライセンス交付を受けているソフトウェアにソフトウェア・アシュアランスが付属している必要があります。

また、現在の環境内のすべての仮想マシンについて VM マネージャーを定義する必要があります。特定のホストに対して VM マネージャーが定義されていない場合、そのホスト上のコアの数は 0 としてカウントされます。その結果、ライセンスの使用量が実際よりも少なくカウントされる場合があります。VM マネージャーが定義されていないホストで、「SA 付き Microsoft 物理コア」メトリックを持つ製品のコンポーネントが検出された場合は、「すべてのメトリック」レポートで警告記号 () が表示されます。これは、計算が正しくないことを示しています。
注: この警告は、ユーザー・インターフェース上にのみ表示されます。CSV バージョンと PDF バージョンの「すべてのメトリック」レポートには表示されません。

制限

ソフトウェアが検出されたコンピューターを削除すると、ユーザー・インターフェース上で、サーバー・キャパシティーに関連するレポート列に「<no data>」と表示されます。メトリックのピーク値に寄与したコンピューターに関する情報は、そのコンピューターが削除されているかどうかにかかわらず、監査スナップショットで確認することができます。

以下の例を使用して、必要なライセンス数の計算方法について説明します。これらは、サンプル・データに基づいています。

例 1: 物理サーバー上にソフトウェアがデプロイされている場合
4 つのデュアル・コア・プロセッサーを持つ物理コンピューターに Microsoft SQL Server 2014 Enterprise がインストールされています。ライセンス条項に基づき、それぞれのデュアル・コア・プロセッサーには 4 つのコアが割り当てられます。これにより、合計で 16 個のコアになります。Microsoft SQL Server のメトリック使用量は 16 になります。
1. 物理環境におけるソフトウェアのメトリック使用量
ホスト 1
ホスト上の物理プロセッサーの数 4
ホスト上の物理コアの数 8
必要なコア・ライセンスの数 16
例 2: 2 つの仮想マシン上にソフトウェアがデプロイされている場合
10 個のコア・プロセッサーを持つホスト上で稼働する 2 つの仮想マシンに Microsoft SQL Server 2014 Enterprise がインストールされています。コアは、これらの仮想マシン間で共有されています。仮想マシンに割り当てられている仮想コアの数は無視され、BigFix Inventory により、ホスト上の物理コアの合計数がレポートされます。Microsoft SQL Server のメトリック使用量は 10 になります。
2. 仮想環境におけるソフトウェアのメトリック使用量
仮想マシン 1 仮想マシン 2
仮想コアの数 8 16
ホスト上の物理コアの数 10 10
ホスト上の物理プロセッサーの数 1
必要なコア・ライセンスの数 10
例 3: ホスト間でマイグレーションされた 2 つの仮想マシン上にソフトウェアがデプロイされている場合

10 個のコア・プロセッサーを持つホスト上で稼働する 2 つの仮想マシンに Microsoft SQL Server 2014 Enterprise がインストールされています。同じ日に両方の仮想マシンが、12 個のコア・プロセッサーを持つホストにマイグレーションされたとします。メトリック使用量の検査は、1 日 1 回、午前 0 時 (GMT) に実行されます。ライセンス・モビリティーの利用により、ホスト 1 のすべてのライセンスがホスト 2 に再割り当てされます。Microsoft SQL Server のメトリック使用量は、マイグレーションの前の期間については 10 であり、マイグレーションの日からは 12 になります。

例 4: ソフトウェア・インスタンスで異なるライセンス・メトリックが使用されている場合
Microsoft SQL Server 2014 Enterprise の 2 つのインスタンスが検出されました。最初のインスタンスでは、「SA 付き Microsoft 物理コア」メトリックが使用されています。2 番目のインスタンスでは、別のメトリック (「SA 付き Microsoft 仮想コア」など) が使用されています。最初のインスタンスだけが「SA 付き Microsoft 物理コア」メトリックの計算に寄与するようにするため、2 番目のインスタンスを適切なメトリックに再割り当てする必要があります。そのメトリックがソフトウェア・カタログ内に存在しない場合は、当該インスタンスを価格計算から除外します。詳しくは、下記を参照してください。コンポーネントの製品への割り当て、と ソフトウェア・インスタンスの除外または抑止
例 5: 同じサーバーにインストールされている 2 つのソフトウェア・インスタンスで同じメトリックが使用されている場合
1 つのサーバーで Microsoft SQL Server 2012 Enterprise と Microsoft SQL Server 2014 Enterprise が検出されました。両方のインスタンスで、「SA 付き Microsoft 物理コア」メトリックが使用されています。メトリック使用量は、インストールされているインスタンスの数に関係なく、このサーバーに対して 1 回だけカウントされます。

メトリック使用量の読み取り

「すべてのメトリック」レポートの第 1 レベルには、製品とそのメトリック数量 (指定の期間内にその製品が使用したメトリック単位の最大数) が表示されます。警告記号 () は、対象となる製品がインストールされている 1 つ以上のホストに対して VM マネージャーが定義されていないことを示します。レポートの第 1 レベル
製品名をクリックすると、レポートの第 2 レベルに、今はもうインストールされていない過去のインスタンスを含む、メトリック数量に寄与した製品コンポーネントのすべてのインスタンスが表示されます。「サーバー・コア」列の値は、ホスト上の物理コアの数を示しています。VM マネージャーが定義されていないホストの場合、その列には、仮想コアの数が表示されます。そのため、その値は、全体的なメトリック数量の計算から除外されます。レポートの第 2 レベル
その値が除外されたという事実は、監査スナップショットの一部である microsoft_physical_core_with_sa.csv ファイルの「コア・メトリック」列に反映されます。また、不完全な仮想化テクノロジーに関する情報が「コメント」列に表示されます。
3. microsoft_physical_core_with_sa.csv ファイルのフラグメント
発行者 製品名 メトリック数量 サーバー・コア コア・メトリック コメント
Microsoft Microsoft SQL Server Enterprise Edition 44 12 12
Microsoft Microsoft SQL Server Enterprise Edition 44 32 32
Microsoft Microsoft SQL Server Enterprise Edition 44 0 0 不完全な仮想化階層