転送と配信の遅延レポートを送信するタイミングを定義する

配信待ちのメッセージがルーターのメッセージキューに入れられ、配信不能メッセージの作成者に遅延レポートが送信されるまでの時間を定義できます。この設定は、転送と配信の遅延レポートを有効にしたサーバー上のすべての配信待ちメッセージに適用されます。

このタスクについて

優先度が中または高に設定されたメールの場合、Notes® ユーザーに対しては、通常、送信後数時間以内にメッセージが配信されます。メッセージの送信者は、メッセージが配信されなかったかどうかを知る必要があります。[サーバー設定] > [ルーター/SMTP] > [制限と制御] > [転送制御] タブで、サーバー設定文書の [遅延通知の転送と送信] 機能を設定します。

配信待ちメッセージがルーターのメインメッセージキューに入れられ、サーバー設定文書で指定されている以上の時間が経過すると、メッセージの作成者に遅延レポートが送信されます。遅延は、通常、転送の受信側サーバーがサーバーまたはネットワークの問題により使用できない場合に発生します。また、「再試行」状態でローカルへの配信待ちになっているメッセージによっても、遅延レポートが送信されることがあります。遅延レポートは、受信者ごとの送信ステータス通知 (DSN) 要求情報が指定されていない SMTP メール、または遅延レポートが要求されている SMTP メールに対しても送信されます。

ルーターでは、転送と配信の遅延がチェックされると同時に、メッセージの期限切れについてもチェックされます。このため、遅延レポートは、指定された遅延間隔に正確に基づいて送信されるわけではありません。ルーターでは、ルーターのサーバー設定文書の [転送制御] タブの [期限切れメールのパージ期間] フィールドで定義された間隔に基づいてメッセージの期限切れがチェックされます。

注: ルーターがシャットダウンまたは一時停止している場合、メインのメッセージキューのエントリは破棄されます。ルーターが再起動または再開すると、エントリが再ロードされます。これにより、遅延レポートが送信されたかどうかについてのメモリ状態情報が消失するため、同じメッセージに対して複数の遅延レポートが送信される場合があります。

MAIL.BOX 内の送信無効または保留状態のメールは、配信待ちメールではありません。ルーターでは、送信無効メールまたは保留メールが転送または配信されません。このため、送信無効メールまたは保留メールに対して遅延レポートは送信されません。管理者が送信無効メッセージまたは保留メッセージを解除すると、メッセージの状態は保留または送信無効ではなくなります。遅延レポートを送信する時間の計算が開始される時間は、ルーターが新しく解除されたこのバージョンのメッセージを認識した時点となります。デフォルトでは、メッセージがキューに入れられて 4 時間が経過すると、メッセージと受信者ごとに遅延レポートが 1 つだけ送信されます。このことは、サードパーティ製の SPAM 対策やウイルス対策アドインなどのエンティティによって、メッセージが更新されて状態が変更する場合にも当てはまります。

タスクのシャットダウンやサーバーが停止しているためにルーターが稼働していない場合は、このサーバーの MAIL.BOX 内のメッセージに対する遅延レポートは送信されません。ルーターが開始されると、各エントリに、遅延の計算を開始する開始時間が割り当てられます。開始時間は、該当するメッセージに対するメインのメッセージキューのエントリをルーターが作成する時間です。たとえば、サーバーが 5 時間停止している場合、再起動時に保留時間は 0 (ゼロ) となり、遅延レポートはもう 4 時間経過しないと送信されません。

遅延レポートは、以下のシナリオの場合には送信されません。

  • 目的の受信者とメッセージの送信ステータス通知 (DSN) が異なる場合 (成功、エラー、中継、遅延レポート)。
  • SMTPOriginator<> です。
  • 目的の受信者が送信者でもある場合。
  • メッセージがトレースレポートである場合。
  • メッセージが受信確認である場合。
  • 遅延メッセージの DeliveryReport 設定が N に設定されている場合。
  • SMTP クライアントが明示的にエラーレポートか成功レポートを要求しているか、何も要求していない場合。
  • 遅延メッセージの送信ステータスレポート項目が存在し、D を含まない任意の文字列に設定されている場合。たとえば、N (なし) または SF (成功またはエラーレポート) の場合。

低優先度メール配信時間帯の遅延通知を設定する

このタスクについて

遅延通知には、次の 2 種類があります。

  • 低優先度の時間範囲の遅延通知
  • 遅延通知の転送と送信

低優先度メールが有効になっており、メッセージが低優先度で送信され、低優先度の配信時間帯により遅延する場合は、低優先度メール配信時間帯の遅延通知に関するサーバー設定が適用されます。

転送遅延通知の時間の計算は、低優先度メールの配信時間帯に達するまでは開始されません。メッセージが低優先度メールの配信時間帯に配信できず、低優先度メールの配信時間帯通知がそのメッセージについてまだ送信されていない場合、指定した間隔後に転送遅延通知が送信されます。低優先度メールの遅延通知間隔が低優先度メールの配信時間帯よりも大きい場合、メッセージ遅延通知は送信されません。

NOTES.INI 設定 RouterDelayNotifyEachInterval が有効になっており、低優先度メールの転送遅延通知間隔が低優先度メールの配信時間帯よりも小さい場合は、低優先度メールの配信時間帯に遅延レポートが送信されることがあります。低優先度メールの配信時間帯が期限切れになったときにその間隔に達していない場合、遅延レポートは送信されません。ルーターは転送を停止します。このため、メッセージが再試行されていることを示す通知は、間違った通知となります。

低優先度メールが NOTES.INI ファイルの設定 MailDisablePriority で無効になっている状態で [遅延通知の転送と送信] が有効になっているときに、低優先度メッセージが低優先度メールの設定済みの遅延間隔を超過した場合は、遅延レポートが発行されます。低優先度メールの配信時間帯まで待機することなく、時間の計算がすぐに開始されます。

転送と配信の機能を有効にした場合、指定時間内に転送または配信されないすべての送信待ちメッセージの作成者に、遅延レポートが送信されます。

手順

  1. 設定するサーバーのサーバー設定文書が既に存在することを確認します。
  2. Domino® Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。
  3. [設定] をクリックします。
  4. 管理するメールサーバーのサーバー設定文書を選択し、[サーバー設定の編集] をクリックします。
  5. [ルーター/SMTP] > [制限と制御] > [転送制御] タブをクリックします。
  6. [遅延通知の転送と送信] フィールドで、[有効] をクリックします。
  7. 高、中、低優先度のメッセージがメッセージキューに入れられ、ルーターがそのメッセージの作成者に遅延レポートを送信するまでの時間を定義できます。各優先度について、デフォルトは 4 時間です。数値は時間単位または分単位で指定します。
    注: 低優先度メールの場合、低優先度メールの配信時間帯が開始されるまで、時間の計算は開始されません。この間隔が低優先度メールの配信時間帯よりも長い場合、遅延レポートは送信されません。
  8. [保存して閉じる] をクリックします。