データの事前キャッシュの有効化

アクションの実行のためにダウンロードするデータがクライアント上で事前キャッシュされる必要があるかどうかとその方法を、クライアントごとに指定できます。

クライアント上でのアクションの実行のために要求されるデータのダウンロードを開始するタイミングとして、以下のいずれかを選択できます。
すべての制約が満たされた後。
この場合、すべての制約が満たされた後、pre-fetch 領域にデータがすべてダウンロードされるまで、アクションの実行は開始されません。この場合、データのダウンロードが制約自体になります。pre-fetch 領域へのデータのダウンロードが完了した時点で、アクションのすべての制約が満たされ、データが __Download 領域に移動し、アクションの実行が可能になります。リスクとしては、ダウンロードの時間が予想以上に長くなる可能性があり、最悪の場合、アクションの実行タイム・ウィンドウがデータのダウンロードが完了する前に経過し、アクションの実行が妨げられる可能性があることが挙げられます。
すべての制約が満たされる前。
この場合、アクションがクライアントに関連付けられるとすぐに、開始時刻などの制約がすべて評価されないうちにデータのダウンロードが開始されます。データは、クライアント・ディスクの pre-cache 領域にダウンロードされます。すべての制約が満たされた時点で、ダウンロードされたデータが pre-cache 領域から pre-fetch 領域に移動します。アクションの開始準備が整った時点で、データが __Download 領域に移動し、アクションの実行が開始されます。

このため、アクションを早く開始できます。ユーザーに表示されるオファーの場合には、オファーを受け入れた後、オファーがダウンロードされるのをユーザーが待機する時間が短縮されます。

この場合の潜在的なリスクとして、ディスク容量の不足が原因となってアクションのデッドロックが発生する可能性が挙げられます。また、クライアント・システムにアクション・グループのダウンロードすべてを同時に配置することがディスク容量構成で許可されていないために、グループ・アクションを実行した場合、そのグループがまったく開始されないということも起きえます。
BigFix V9.5.10 以降では、クライアント設定 _BESClient_Download_PreCacheStageContinueWhenDiskLimited を使用することにより、このリスクがグループ・アクションの処理に影響を及ぼすのを防ぐことができます。_BESClient_Download_PreCacheStageContinueWhenDiskLimited=1 を設定すると、ダウンロードを必要とする最初のサブアクションがそのサブアクションのためのダウンロードをすべて収集できる限り、そのクライアントでは他のすべての制約が満たされていると想定してグループ・アクションを開始できます。また、ディスク容量要件 (DiskLimited 制約または DiskFreeLimited 制約) が原因となって、すべてのサブアクションのために事前キャッシュされたダウンロードがシステム上で同時に使用できない場合でも、アクション処理を続行できます。
注: この設定はシングル・アクション処理には影響を及ぼしません。つまり、その特定のアクションに必要なダウンロードを保持するだけの十分なディスク容量がないことが原因で引き続きシングル・アクションまたはサブアクションの実行が制約とブロックの対象になる可能性があります。
BigFix Client のデフォルトの設定は、_BESClient_Download_PreCacheStageContinueWhenDiskLimited=0 です。これは、グループ・アクションを開始できるのはすべてのサブアクション・ダウンロードがシステム上で同時に使用可能になった後ということです。