メールファイルへの IMAP アクセスを準備する

IMAP クライアントからのアクセスをサポートするには、データベース項目として IMAP フォルダとメッセージの属性を保存するようメールファイルを特別に変更する必要があります。Domino® 登録プロセスを使用してユーザーを作成し、ユーザーのメールシステムの種類を IMAP に設定している場合は、メールファイルでの IMAP の使用が Domino® によって自動的に可能になります。それ以外の場合は、メールファイルで IMAP アクセスをサポートするように、いくつかのタスクを実行する必要があります。

始める前に

次の操作が完了していることを確認します。
  • IMAP ユーザーのユーザー文書を設定する。
  • IMAP ユーザーのためのメールファイルを作成する。

手順

  1. メールファイルでメール変換ユーティリティを実行して IMAP のアクセスを有効にします。
  2. 新規のメールファイルではない場合は、クライアントのログイン時にヘッダーのダウンロード速度を高めるために、-h オプションを使用してメール変換ユーティリティを実行します。

タスクの結果

IMAP サービスは、IMAP フォルダとメッセージデータの保存にテンプレートのビューを使用していないため、どのようなメールテンプレートを使用して作成されたメールファイルでも使用可能にできます。

メールファイルのレプリカが複数あるユーザーの場合、たとえば、クラスタ化されたサーバーにメールファイルを持つユーザーの場合、レプリカごとに IMAP アクセスを使用可能にする必要があります。Domino® はデフォルトでは、データベース間で IMAP データベース項目を複製しないため、IMAP 対応のメールファイルのレプリカを新規作成する場合、そのレプリカでは IMAP を使用できません。

メールファイルを表示するときの IMAP クライアントと Notes® クライアントとの相違

このタスクについて

1 つのメールファイルのフォルダとビューのうち IMAP クライアントには Notes® クライアントとは異なって表示されるものがあります。たとえば、IMAP クライアントには受信フォルダ、ごみ箱フォルダ、パブリックフォルダが IMAP メールボックスとして表示されます。また、非表示フォルダや個人フォルダは、IMAP クライアントには表示されません。

以前は、IMAP の送信済み、受信ボックス、ごみ箱メールボックスと Notes® クライアントの送信済みおよび下書きビュー、受信ボックスおよびごみ箱フォルダとの同期は利用できませんでした。ただし、Domino® のこのリリースでは、管理者は NOTES.INI パラメータ EnableImapFolderSynch=1 を設定することで、IMAP メールボックスと対応する Notes® クライアントのビューとフォルダの同期を有効にすることができます。

Domino® サービスでは、IMAP クライアントから Notes® メールファイルの受信フォルダの名前を変更することはできません。

IMAP クライアントと Notes® クライアントの両方からメールファイルにアクセスするユーザーの場合、Domino® は両方のクライアントで未読メッセージのマークを同期します。つまり、Notes® クライアントで既読とマークされているメッセージは、IMAP クライアントでも既読とマークされ、逆の場合も同じです。

IMAP クライアントでは Notes® 暗号化を使用するメッセージを読み込むことができません。IMAP クライアントは、ユーザーの Notes® 認証のためのパブリックキーを使用して暗号化されているメッセージの暗号化を解除するために必要な Notes® プライベートキーにはアクセスできません。その結果、ユーザーが暗号化された Notes® メッセージを IMAP クライアントから開くと、暗号化されていないヘッダー情報のみが表示されます。サーバーによって、空白のメッセージ本文に代わって次のテキストが表示されます。

[この MIME 文書は Notes® 証明書で暗号化されています。読むことはできません。]

以下の手順を使用して、送信および下書きビューとごみ箱フォルダの同期を有効にします。

手順

  1. 次の NOTES.INI パラメータをこの機能を必要とする IMAP クライアントにサービスを提供するサーバーに追加します:EnableImapFolderSynch=1
  2. メールテンプレートを、最新の Domino® 8.5.2 以降に含まれる最新のメールテンプレートにアップグレードします。
  3. IMAP クライアントが 8.5.2 メールテンプレートで新規に導入された新規の非表示フォルダを購読していることを確認します。フォルダ名は完全に一致する必要があります。