ストリーミングクラスタ複製

ストリーミングクラスタ複製 (SCR) は、完全に接続されたクラスタとデータストリーミングの特性を利用して、オーバーヘッドの少ないクラスタレプリケータを生成する機能です。

SCR により、スケジュールされたレプリケータのオーバーヘッドが減少し、クラスタレプリケータの待ち時間が大幅に短縮されます。文書の変更、未読マークの変更、フォルダの変更などの変更が発生すると同時に、これらの変更は同じクラスタ内の別のレプリカのキューに追加されます。その結果として、より効率的なクラスタ複製が実行されます。

SCR を使用するには、1 つのクラスタ内に 2 つ以上の Domino® サーバーを設定する必要があります。クラスタ内に最新リリースの Domino® サーバーとリリース 8 より前の Domino サーバーが混在する場合、リリース 8 より前の Domino サーバーに対しては、通常のクラスタ複製機能を使用して異なるリリース間の複製が実行されます。

Domino® では、次の順序でイベントが発生した場合に SCR が有効になります。

  • データベースがオープンされる。
  • クラスタ複製機能により、別のクラスタ化された Domino® (現在のリリース) のレプリカに対して変更が複製される。
  • データベースへの参照がすべてクローズされる。
  • 複製が必要な変更が今後データベース内で発生した場合、SCR によって変更が別の Domino® (現在のリリース) サーバーに複製される。

SCR による複製中にエラーが発生した場合、データベースの制御は通常のクラスタレプリケータに返され、通常のクラスタレプリケータによって変更の複製とデータベースの同期が実行されます。

クラスタ化されたサーバーのデータベースが変更された場合、特定の変更が取得されて直ちにキューに追加されます。キューに追加された変更は、変更されたデータベースのレプリカが格納されている複製先の Domino® (現在のリリース) サーバーのクラスタメンバに複製されます。対象のクラスタメンバがこの変更を受信すると、クラスタメンバ内のレプリカに対して変更を適用します。

ストリーミングクラスタ複製のパフォーマンス上の利点は次のとおりです。

  • データベースや文書のオープンなどの操作を、ネットワーク全体で行う必要がない。データベースのレプリカが必要とする変更だけが送信される。
  • 変更されたデータベースの各クラスタメンバに対して、個別に複製を行う必要がない。
  • 即時に複製が実行される。