サーバーまたはクライアントのクラッシュ後、診断情報を収集する

自動診断収集ツールは、サーバーまたはクライアントがクラッシュした後、診断データを収集し、サーバーまたはクライアントが再起動すると、収集したデータを受信メールデータベースに送信します。その後、収集データを使用して、クラッシュの原因を調べることができます。

データは、Fault Report 文書に保存されます。ドメインごとに 1 つの受信メールデータベースがあります。1 つのドメインのすべてのクライアントとサーバーのクラッシュから収集したすべての Fault Report 文書を 1 つのデータベースに保存することも、サーバーのクラッシュ用とクライアント用に、データベースを 1 つずつ作成することもできます。この機能を設定する場合は、メール受信データベースを指定します。クライアントのクラッシュから収集したデータは、ユーザーのサイトで発生した重複問題を素早く原因究明するためにユーザーのローカルの自動データ収集データベースに送信することも、サーバーデータと同じデータベースに送信することもできます。

Fault Analyzer はサーバーのアドインタスクで、自動データ収集のメール受信データベースに新しいクラッシュが配信されたときにそれをすべて処理します。Fault Analyzer タスクは、新たにクラッシュが発生するたびに Fault Report 文書を格納しているデータベースを検索し、そのスタックがユーザーのサイトでユーザーまたはサーバーによって既に確認されているクラッシュと一致するかどうかを判断します。自動データ収集データベースは、同じクラッシュが重複して発生している場合に Fault Report と返答文書をすべてリストし、その重複するクラッシュの発生が、元のクラッシュと完全に一致するか、部分的に一致するかを示します。重複するクラッシュの発生の返答文書は、Exact Match Fault Report 文書と Partial Match Fault Report 文書になります。さらに、Partial Match Fault Report 文書には、そのクラッシュの元の Fault Report と一致するレポートの比率を示す「一致率」も含まれます。

デスクトップポリシー設定文書と [診断] タブを使用して、自動診断データ収集をクライアントに設定します。

Fault Analyzer タスクをサーバー上で有効にするかどうかを指定するには、サーバー設定文書の [診断情報] タブのフィールドを使用します。サーバーの起動時に Fault Analyzer が有効であるときは、Domino® によってローカル Domino® ディレクトリのサーバー設定文書とデスクトップポリシー文書が読み取られます。いずれかの文書に Fault Reports データベースが指定されている場合、Domino® はデータベースがローカルサーバーに存在するかどうかを判別し、存在する場合、Domino® はモニターするデータベースのリストにそのデータベースを追加します。プロセスによって 10 秒おきに、モニターされたいずれかのデータベースのデータ更新時間が変更されているかどうかが判別され、変更されている場合は、Fault Analyzer が新しい未処理の文書を検索して、変更との一致を試みます。

出現数と一意の ID の数が、クラッシュの Fault Report 親文書で更新されます。出現数とは、クラッシュが発生した合計回数であり、一意の ID の数とは、問題が報告されているクライアントとサーバーの数です。

Fault Report 文書の管理用セクションには、[Resolved] フィールドがあります。このフィールドを使用すると、そのクラッシュが、データベースにレポートしているすべてのバージョンのクライアントとサーバーについて解決済みか、Domino® 6.5.1 などのリリースレベルまたは 652HF10 などの Hot Fix 番号で識別される特定のバージョンについて解決済みかをマークすることができます。

障害が解決済みとマークされると、同じ署名でクラッシュし、解決される障害のバージョンレベルにあるすべてのクライアントとサーバーからは、重複マークが外されます。ただし、その Fault Report 文書は親文書として保管されます。解決済み文書は、ビューでその横にチェックマークが表示されます。

次のファイルは、Domino® データディレクトリに既に保存されているもので、Notes/Domino データディレクトリの下にある診断ディレクトリ IBM_TECHNICAL_SUPPORT に保存されます。

  • NSD 出力ファイル
  • memcheck 出力ファイル
  • コアファイル
  • メモリダンプファイル (memory.dmp 形式ではなく、memory_platform_machine name_date@time.dmp 形式で作成)
  • notes_child_pid

診断ファイルが非常に大きくなり、かなりのディスク容量を占めてしまうことを回避するために、自動診断情報収集ツールによりこれらのファイルが削除される前に何日間保存できるかを指定できます。

クライアントの自動診断情報収集を設定する場合、この機能を非表示にするよう指定できます。または、診断レポートをメール受信データベースに送るかどうかを指定するよう指示するメッセージを表示させることもできます。メッセージを表示しないよう指定した場合、ユーザーはこの機能を意識せずに済みます。ユーザーがクライアントを再起動しパスワードを入力すると、バックグラウンドで処理が実行されることになります。クラッシュをレポートするかどうか指定するメッセージを表示するよう指定した場合は、送る前にレポートを表示させるかどうかを指定することもできます。