Notes 配信を使用して、アウトバウンドインターネットメールを SMTP サーバーに転送する

内部メール配信に SMTP を使用しない Domino® ネットワークでは、インターネットへのアウトバウンドメールの送信にゲートウェイトポロジーを実行できます。内部サーバーは引き続き Notes® 配信を使用してメールを転送したり、インターネットに接続する SMTP サーバーにインターネットメールを送信したりできます。使用するゲートウェイサーバーは、外部インターネットドメインに SMTP メールを送信できる Domino サーバーである必要があります。

このタスクについて

内部サーバーと SMTP ゲートウェイサーバーとの間の配信を定義するには、次の文書を作成します。

  • 一連の宛先アドレスが指定されている SMTP メールを送信する場合に、次のドメインを定義する 1 つ以上の異種 SMTP ドメイン文書
  • アウトバウンドの SMTP メールを処理するサーバーを異種 SMTP ドメイン文書ごとに指定する SMTP 接続文書

ゲートウェイサーバーは、内部サーバーからのアウトバウンドメールを Notes 配信を使用して受信してから、SMTP を使用してインターネットに転送します。ゲートウェイサーバーは、インターネットに直接接続することも、インターネットに接続している SMTP リレーホストまたはファイアウォールを経由してインターネットに接続することもできます。

異種 SMTP ドメイン文書は、SMTP 配信を使用せず、DNS にアクセスできないサーバーに、インターネットメールの配信に必要な次の中継サーバーについての情報を提供します。また、SMTP でメールを配信するサーバーで異種 SMTP ドメイン文書を使用すれば、送信されるメールの宛先ごとに異なる配信パスを設定することもできます。

異種 SMTP ドメイン文書は、Domino ドメインのサーバーに外部 SMTP アドレスが指定されているメールの転送先に関する情報を提供します。異種 SMTP ドメイン文書では、特定のインターネットドメインまたはドメインパターン宛てのメッセージを送信する次の中継ドメイン名を指定します。例えば、異種 SMTP ドメイン文書に、ドメイン company.com 宛てのメッセージの次の中継ドメインを TheInternet と指定するとします。

次の中継ドメインは実際の Domino ドメイン、つまり 1 つの Domino ディレクトリを共有するサーバーのグループであっても、仮想ドメインであっても構いません。次の中継ドメインへの接続文書を作成でき、そのドメインにインターネットに接続されている SMTP サーバーが既にある場合は、その中継ドメインに既存の Domino ドメイン名を使用します。ネットワークに、アウトバウンドインターネットメールを配信する Domino ドメインが現在存在しない場合は、仮想つまり論理ドメイン名を使用します。ドメイン名には、Domino ディレクトリのサーバー名またはドメイン名と異なる名前を指定する必要があります。Domino では、仮想ドメイン名を使用して SMTP ドメイン文書を SMTP 接続文書にリンクします。次にこの SMTP 接続文書では、例えばアウトバウンドインターネットメールを配信できるファイアウォールサーバーなどの、アウトバウンドメールを処理できる SMTP 対応サーバーの名前を指定します。

メッセージ配信を明示的に制御するには、異種 SMTP ドメイン文書を複数設定して、アウトバウンドメールのトラフィックを分割し、あるインターネットドメイン宛てのメッセージはある Domino ホストを経由して配信され、他のインターネットドメイン宛てのメッセージは別の Domino ホストに送信されるように指定できます。

例えば、最初の異種 SMTP ドメイン文書では末尾が renovations.com のドメイン宛てのメールをすべて配信し、2 番目の異種 SMTP ドメイン文書では末尾が ibm.com® のドメイン宛てのメールをすべて配信し、3 番目の異種 SMTP ドメイン文書ではそれ以外のインターネットドメイン (*.*) 宛てのメールを処理するように指定できます。設定したこれら 3 つの異種 SMTP ドメインそれぞれについて、各ドメインに配信されたメッセージの転送方法を説明する SMTP 接続文書を作成する必要があります。

注: あるドメインに配信するメッセージの指定にワイルドカードを使用する場合でも、サーバー設定文書の [SMTP アウトバウンド制御] タブを使用して特定のインターネットドメイン宛てのメッセージを制限できます。

ルーターでは常に、送信先アドレスに含まれる要素を最も多く含む異種 SMTP ドメイン文書が使用されます。たとえば、メッセージの送信先アドレスが jdoe@server1.japan.renovations.com の場合、renovations.com と japan.renovations.com に対応する 2 つの異種 SMTP ドメイン文書があると、ルーターでは japan.renovations.com の文書が使用されます。

ルーターはメッセージのアドレスに含まれる要素を最も多く含む異種 SMTP ドメイン文書を判別すると、指定された次のドメインにメッセージを転送します。Domino ドメインが実際のドメインである場合、ルーターは Domino ディレクトリでそのドメインへの接続を検索し、メッセージを配信します。Domino ドメインが論理ドメインである場合は、ルーターはそのドメインに配信されたメールの次の中継ドメインを説明する SMTP 接続文書を調べます。

異種 SMTP ドメイン文書を作成するには

始める前に

設定するサーバーのサーバー設定文書が既に存在することを確認します。

手順

  1. Domino Administrator で、[設定] タブをクリックし、[メッセージング] セクションを展開します。
  2. [ドメイン] を選び、[ドメインの追加] をクリックします。
  3. [基本] タブで、[ドメインタイプ][異種 SMTP ドメイン] を選択します。
  4. [制限] タブをクリックし、次のフィールドを設定します。
    表 1. [制限] タブ

    フィールド

    説明

    次のドメインからのメールのみを許可

    この異種ドメインへのメール配信を許可する Notes ドメイン名。すべてのドメインがローカルドメインから異種ドメインにメールを配信できるようにする場合は、このフィールドを空白にします。

    次のドメインからのメールを拒否

    この異種ドメインへのメール配信を禁止する Notes ドメイン名。すべてのドメインがローカルドメインから異種ドメインにメールを配信できるようにする場合は、このフィールドを空白にします。

  5. [配信] タブで、以下のフィールドに入力し、[保存して閉じる] をクリックします。
    表 2. [配信] タブ

    フィールド

    Enter

    メールの送信先: インターネットドメイン

    この文書を適用するインターネットドメインの名前 (例えば、company.com)。*.* (ワイルドカード) を入力すると、この文書がすべてのインターネットドメインに適用されます。

    配信先: ドメイン名

    [インターネットドメイン] フィールドのパターンと一致するメールが配信される架空の論理ドメイン名 (例えば、TheInternet)。指定した名前は、プレースホルダとして使用されます。Domino は、この名前を使用して異種 SMTP ドメイン文書と次の手順で作成する接続文書を関連付けます。

次のタスク

異種 SMTP ドメイン文書を、インターネットにアウトバウンドメールを送信できる SMTP サーバーに関連付けるには、SMTP 接続文書を作成します。