複数の BigFix アプリケーションにわたる HTTPS

このトピックでは、SSL/HTTPS 通信が BigFix アプリケーションでどのように動作し、それを構成する方法に基づいてタスクをどのようにリンクするかを説明します。

デフォルトでは、BigFix アプリケーションは自己署名証明書 (サーバー自体が発行する証明書) を提供します。自己署名証明書は、信頼できる認証局を通じて証明書の発行元を検証する手段を提供しません。このため、自己署名証明書は実稼働環境を対象としていません。

BigFix アプリケーションに CA 署名済み証明書を再利用する場合は、以下のアプリケーションの鍵ペアの要件に従っていることを確認してください。

BigFix アプリケーションの鍵ペアの要件

表 1. 鍵ペアの要件
BigFix アプリケーション プライベート・キーのフォーマット 推奨される鍵強度の値 証明書および秘密鍵のコンテナー・フォーマット 秘密鍵のパスワード保護 ワイルドカード・ドメインのサポート
Web レポート RSA 4096 ビット PEM エンコード いいえ いいえ
REST API RSA 4096 ビット PEM エンコード いいえ いいえ
インベントリー RSA、DSA 2048 ビット PEM エンコード いいえ いいえ
ソフトウェア配布 RSA 2048 ビット PEM エンコード いいえ いいえ
WebUI RSA 2048 ビット PEM エンコード いいえ いいえ
Security and Compliance Analytics RSA、DSA 2048 ビット PEM エンコード はい はい
Server Automation REST API RSA 2048 ビット PEM エンコード いいえ いいえ

SSL の概要と仕組み

HTTPS は、Transport Layer Security (TLS) または Secure Sockets Layer (SSL) によって暗号化された接続内の Hypertext Transfer Protocol (HTTP) を介した通信で構成されます。それは、クライアント・サーバー・アプリケーション間 (例えば、Web ブラウザーと Web サーバーの間) で情報を交換するために使用できるセキュア通信チャネルです。

クライアントおよびサーバーが SSL を介して通信できるようにする最初のステップは、クライアントがサーバーを認証するハンドシェーク手順です。通信のこの段階は、サーバーが所有する必要がある、以下の 2 つの鍵を使用する非対称暗号化に基づいています。
  • デジタル証明書に含まれる公開鍵。情報の暗号化に使用されます。
  • 関連付けられた秘密鍵。情報の暗号化解除に使用されます。

デジタル証明書には、公開鍵がサーバーに適切に関連付けられていることが記載されています。そのため、デジタル証明書は通常、デジタル署名を行う外部の認証局によって発行されます。BigFix アプリケーションでは自己署名証明書 (サーバー自体が発行する証明書) が提供されるため、信頼できる認証局を通じて証明書の発行元を検証できません。このため、自己署名証明書は実稼働環境を対象としていません。

SSL 通信を有効にすると、BigFix サーバーに接続するすべてのユーザーが、公開鍵を含む証明書を受信します。クライアントが Web ブラウザーである場合、Web ブラウザーには信頼できる認証局のリストがあり、証明書がそれらのいずれかで発行されたことを確認します。証明書が有効である場合、Web ブラウザーは証明書に含まれていた公開鍵を使用して、提示された共有鍵を暗号化し、Web サーバーを介して暗号化済みの鍵を送信します。Web サーバーは、秘密鍵を使用して共有鍵をデコードします。これで、クライアントとサーバーの両方が同一の対称鍵のコピーを持ち、以降のすべての通信を暗号化するために使用します。次の図は、セキュア通信を確立するためのステップを要約したものです。

SSL セキュア通信

SSL を使用する利点

HTTPS を使用する主な利点は、閲覧された Web サイトおよび関連する Web サーバーを認証し、交換されたデータのプライバシーおよび整合性を保護する点です。

SSL が使用される主な理由は、目的の受信者のみが理解できるように、インターネットを介して送信される機密情報を SSL 証明書で暗号化された状態に保つためです。SSL 証明書が使用されると、情報は、送信先のサーバー以外では判読不能になります。このプロセスで、データは、受信者に到達する前に複数のコンピューターをトラバースします。途中で、データは無許可の第三者にアクセスされる可能性があります。しかし、SSL は、ハッカーやなりすましからデータを保護するために、元のデータを暗号化します。

SSL を採用することで、インターネットを介した通信での信頼が形成されます。この利点を考慮すると、信頼できる SSL 証明書の取得に必要な許可プロセスを処理することは、労力を費やすだけの価値があります。