ワークロードの均衡化の仕組み

データベースを HCL Domino® サーバークラスタ全体に分散することによって、過負荷になるサーバーがないようにワークロードを均衡にします。

ワークロードの均衡化に役立つ NOTES.INI 変数はいくつかあります。たとえば、可用性限界値を指定することにより、サーバーが許容できるビジー状態の限度を指定できます。サーバーが可用性限界値に達すると、クラスタマネージャによりサーバーはビジー状態にあるとしてマークされます。サーバーがビジーになると、データベースを開く要求は目的のデータベースのレプリカを持つ別のサーバーに送信されます。サーバーにアクセスできる最大ユーザー数も指定できます。サーバーがこの限度に達すると、ユーザーは別のサーバーにリダイレクトされます。これで、ワークロードの均衡がとれ、サーバーは最適なパフォーマンスで稼働を続けることができます。

ユーザーが開こうとするデータベースを格納しているサーバーがビジー状態のとき、クラスタマネージャはクラスタデータベースディレクトリーでそのデータベースのレプリカを検索します。レプリカを持つサーバーの可用性を調べ、使用できる可能性が最も高いサーバーへユーザーをリダイレクトします。クラスタ内の別のサーバーにレプリカがない場合やすべてのクラスタサーバーがビジーの場合は、元のサーバーがビジーであってもそこにあるデータベースが開きます。

たとえば、クラスタが 3 台のサーバーで構成されているとします。サーバー 2 は、ワークロードがシステム管理者により設定された可用性限界に達しているため、ビジー状態になっています。サーバー 1 とサーバー 3 のクラスタマネージャは、サーバー 2 がビジー状態であることを認識しています。

ワークロードの均衡化は次のように行われます。

  1. HCL Notes® ユーザーがサーバー 2 上のデータベースを開こうとします。
  2. Domino® から Notes® に対して、サーバーがビジー状態であるというメッセージが送信されます。
  3. IBM Notes® はそのクラスタキャッシュを参照して、クラスタにある他のサーバーの名前を検索します。
  4. IBM Notes® は、クラスタキャッシュで次にリストされているサーバーのクラスタマネージャにアクセスします。
  5. クラスタマネージャはクラスタデータベースディレクトリーを参照し、クラスタの中で目的のデータベースのレプリカを持つサーバーを検索します。
  6. クラスタマネージャは自身のサーバークラスタキャッシュを参照し、レプリカを持つ各サーバーの可用性を確認します。
  7. クラスタマネージャは、クラスタ内で目的のデータベースのレプリカを持つサーバーのリストを作成します。次にサーバーの可用性が高い順番でこのリストをソートし、Notes® に送信します。
  8. IBM Notes® はこのリストの先頭にあるサーバー、つまり使用できる可能性が最も高いサーバーにあるレプリカを開きます。そのサーバーが利用できなくなっている場合、Notes® はリストで次の順位にあるサーバーでレプリカを開きます。