クラスタに含める Domino® サーバーの数を決定する

HCL Domino® サーバーをクラスタに追加すると、クラスタがワークロードを均衡化する能力が向上します。そのため、過負荷になるサーバーはなくなり、高いパフォーマンスを維持できます。しかし、サーバーで使用するサーバータスク、CPU 集中型アプリケーション、複製が多すぎると、すべてのサーバーでデータベースを同期させるために必要なクラスタトラフィクの量が増加するため、サーバーの追加によってパフォーマンスが低下することがあります。

クラスタの規模が大きいほど、クラスタサーバーに障害が発生したときにワークロードを吸収できる能力が高くなります。たとえば、クラスタにサーバーが 2 台しかない場合は、どちらかのサーバーに障害が発生したときに、そのサーバーのワークロードのすべてをもう一方のサーバーで吸収する必要があります。つまり、各サーバーを 50%の容量で実行すれば、1 台のサーバーが停止した場合のワークロードを吸収できます。

これに対し、クラスタにサーバーが 6 台あれば、障害が発生したサーバーのワークロードを残りの 5 台が 20%ずつ吸収すればよいことになります。つまり、各サーバーを 80%の容量で実行しても、1 台のサーバーが停止した場合のワークロードを吸収できます。
注: 障害が発生したサーバーのワークロードを吸収する方法に影響を与える要因は他にもあります。たとえば、クラスタ全体での複製の配布などです。

クラスタのハードウェアの割り当てを計画するときは、次の点を考慮してください。

  • 作成するレプリカの数を多くすると、必要なディスク容量が増え、クラスタ複製では高い処理能力が必要になります。
  • クラスタデータベースディレクトリーには約 2 MB のディスク容量に加えて、クラスタ内の 2,000 のデータベースごとに 1 MB のディスク容量が必要です。
  • クラスタにサーバーが増えると、各サーバーは、他のクラスタサーバーとの通信に高い処理能力を必要とするようになります。
  • サーバーで実行するサーバータスクや CPU 集中型アプリケーションが増えると、高い処理能力が必要になります。
  • 各サーバーには、そのサーバーにあるデータベース用とそのサーバーにフェイルオーバーするデータベース用に十分な処理能力が必要です。
  • クラスタ化されたサーバーは、クラスタ化されていないサーバーよりも多くのメモリを必要とします。実際に必要なメモリ容量は、サーバーの使用状況によって異なります。

    コンピュータのメモリ増設や処理能力増強の必要があるか確認するには、プラットフォームの統計を調べます。

  • クラスタが大規模であるかワークロードが大きいクラスタがあるときは、複数のクラスタレプリケータを使用してクラスタ複製のパフォーマンスを高めることをお勧めします。クラスタレプリケータの統計をチェックして、処理待ちのデータベースが大量にないか確認します。大量にある場合は、統計が十分に改善されるまで、一度に 1 つずつクラスタレプリケータを追加していきます。

    クラスタレプリケータはシステムリソースを使用するため、クラスタレプリケータを追加するたびに、システム全体のパフォーマンスが低下することがあります。したがって、必要以上に多くのクラスタレプリケータを追加しないようにします。