ディレクトリアシスタントと Domino® ディレクトリまたは拡張ディレクトリカタログのフェイルオーバー

このタスクについて

Domino® ディレクトリまたは拡張ディレクトリカタログに対してディレクトリアシスタントを設定する場合は、ディレクトリアシスタント文書の [レプリカ] タブで、ディレクトリアシスタントが使用するディレクトリのレプリカを指定します。Domino® ディレクトリまたは拡張ディレクトリカタログのディレクトリアシスタント文書でレプリカを指定する場合は、以下の処理を実行します。

  • ディレクトリのフェイルオーバーを設定します。これによって、あるレプリカが利用できなくても、ディレクトリアシスタントで代替のレプリカを少なくとも 1 つ試してみることができます。ディレクトリアシスタントで Domino® ディレクトリの代替レプリカまたは拡張ディレクトリカタログの代替レプリカにフェイルオーバーする方法には 2 種類あります。1 つはディレクトリアシスタントフェイルオーバーで、これは旧リリースでも利用可能だった方法です。もう 1 つはクラスタフェイルオーバーです。
  • [ディレクトリアシスタント] データベースを使用するサーバーが指定のディレクトリレプリカに高速でネットワークアクセスできるようにします。レプリカに高速でネットワークアクセスできることは、サーバーがディレクトリを使用してデータベース認証のためのグループ検索を行う場合に特に重要です。
  • レプリカをリモート検索するサーバーに、レプリカを格納しているサーバーへのアクセス権を与えます。また、ディレクトリの ACL (アクセス制御リスト) で [読者] 以上のアクセス権を与えます。
  • Notes® メールのアドレス指定にディレクトリを使用する場合は、その機能を使用する Notes® ユーザーがディレクトリの ACL で [読者] 以上のアクセス権を持つようにします。これは、ディレクトリを参照できるようにするためです。ディレクトリに対して拡張アクセスが有効化されている場合も、ユーザーは、アドレスの入力補完機能や F9 アドレス解決を使用するために、[読者] 以上のアクセス権が必要になります。

ディレクトリアシスタントフェイルオーバー方式

このタスクについて

サーバーでは、クラスタフェイルオーバー方式ではなくディレクトリアシスタントフェイルオーバー方式を使用すると、Domino® ディレクトリまたは拡張ディレクトリカタログの使用可能なレプリカを見つけることができます。ディレクトリアシスタントフェイルオーバー方式を使用する場合は、ディレクトリのディレクトリアシスタント文書の [レプリカ] タブで、使用できる可能性のあるディレクトリレプリカを 5 個まで指定します。

サーバーの起動時に、ディレクトリアシスタントは指定されたレプリカの中で使用可能なレプリカを検索します。サーバーの起動中に使用可能なレプリカが見つからない場合、ディレクトリアシスタントは、5 分以内に再度、使用可能なレプリカを見つけようとします。以降、レプリカが見つかるまで 5 分間隔でこの検索を続行します。

使用可能なレプリカがサーバーの起動時に見つかると、ディレクトリアシスタントはそのレプリカを、使用不能になるまで使用し続けます。そのレプリカが使用不能になるとフェイルオーバーが発生し、ディレクトリアシスタントは代替レプリカを探します。レプリカが使用不能になると、その原因にかかわらず、ディレクトリアシスタントは代替レプリカを使用します。使用不能になっていたレプリカが使用可能になっても、ディレクトリアシスタントは代替レプリカを使用し続けます。

レプリカが使用不能であることをディレクトリアシスタントが認識するのは、サーバーの起動中にディレクトリアシスタントがレプリカにアクセスしようとしたとき、またはサーバーの通常動作中にディレクトリアシスタントがクライアント検索要求を処理するときです。ディレクトリアシスタントがディレクトリレプリカを使用できなくなるのは、次のような場合です。

  • レプリカを格納するサーバーが使用不能になった場合。たとえば、サーバーがダウンした場合や、ネットワークの接続障害が発生した場合。
  • レプリカを格納しているサーバーがビューを再構築しているために、ディレクトリ検索に必要な、レプリカ内のビューがロックされている場合。
  • レプリカが削除され、存在していない場合。
注: Domino® R5.0.9 (またはそれ以前のバージョン) を実行しているサーバーで実行するディレクトリアシスタントは、ビューからロックアウトされてもフェイルオーバーされません。このフェイルオーバー機能を Domino® 6 以上と Domino® R5 の混在環境で実現するには、Domino® R5 サーバーを少なくとも Domino® R5.0.10 にアップグレードします。

ディレクトリアシスタントは、サーバー起動時とフェイルオーバー中に、ディレクトリアシスタント文書で指定されているレプリカのリストから、使用可能なレプリカを以下のように探します。

手順

  1. ローカルレプリカを探します。
  2. 同じ Notes® 名を持つネットワークの中でレプリカを探します。複数のレプリカが存在する場合は、ディレクトリアシスタント文書にリストされている順に調べます。
  3. 同じ Domino® ドメイン内でレプリカを探します。複数のレプリカが存在する場合は、ディレクトリアシスタント文書にリストされている順に調べます。
  4. まだ探していないレプリカを探します。

ディレクトリアシスタントのクラスタフェイルオーバー方式

クラスタ内のサーバー間で複製される Domino® ディレクトリまたは拡張ディレクトリカタログを使用するようにディレクトリアシスタントデータベースが設定されている場合は、ディレクトリアシスタントフェイルオーバーの代わりに、クラスタフェイルオーバーとワークロード均衡を使用することができます。

このタスクについて

クラスタフェイルオーバー方式とワークロード均衡を使用するには、ディレクトリのディレクトリアシスタント文書の [レプリカ] タブで、クラスタにあるディレクトリレプリカを 1 つだけ指定します。指定するレプリカは 1 つのみにしてください。複数のレプリカを指定すると、ディレクトリアシスタントはクラスタフェイルオーバーを無視し、代わりにディレクトリアシスタントフェイルオーバー方式を使用して、使用可能なレプリカを探します。

クラスタフェイルオーバーは特に、ディレクトリサービスを集中管理する環境で有用です。たとえば、リモート 1 次 Domino® ディレクトリのディレクトリアシスタント文書でクラスタフェイルオーバーを設定できます。これによって、構成ディレクトリを持つサーバーでクラスタフェイルオーバー方式を使用し、リモート 1 次ディレクトリの使用可能レプリカを探せるようになります。