圧縮オプション

このトピックでは、Compact サーバータスクで使用できるオプションについて説明します。

各表の 1 列目には、Domino® Administrator の [タスク] > [開始] ツールや [ファイル] タブを使用して圧縮を実行する際に表示されるオプションを示します。2 列目は、コンソールコマンドやプログラム文書で実行するときに使用する、同等のコマンドラインオプションです。

圧縮の [基本] タブ

表 1. 基本
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

このデータベース、またはフォルダのみを圧縮

([ファイル] タブを使用して圧縮するデータベースを指定するには、ファイルペインでデータベースを選択します。)

 database path 

オプションが必要な場合は、データベースパスの後に指定します。

Domino のデータフォルダにあるデータベースを圧縮するには、たとえば SALES.NSF のようにファイル名のみを入力します。データフォルダ内のフォルダにあるデータベースを圧縮するには、データベースのパスをデータフォルダに対する相対パスで指定します。たとえば、フォルダ DATA\SALES にあるデータベースをすべて圧縮するには、SALES と指定します。

[すべてのデータベースを圧縮] を選択した場合やコマンドラインでデータベースパスを指定しなかった場合は、データフォルダにあるデータベースとデータフォルダ内のフォルダにあるデータベースがすべて圧縮されます。

圧縮の [オプション] タブ

表 2. オプション
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

次の条件のときデータベースを圧縮します。未使用のスペースが次より大きい時: x パーセント以上

-S percent 

未使用率が指定値以上のデータベースをすべて圧縮します。たとえば、10 を指定すると、未使用率が 10 % 以上、つまり使用率が 90% 未満と記録されているデータベー スが圧縮されます。未使用率の計算値は、未使用ディスク容量を正確に表す値ではないので注意してください (使用率はデータベースのプロパティより [情報] タブにて確認できます)。

ビューの索引を廃棄する

-D

構築されているビューの索引を破棄します。このオプションは、現在頻繁に使用されていないデータベースを、たとえばバックアップする直前に圧縮するような場合に使用します。データベースの復元後に索引を再構築するシステム時間とリソースを計画に上乗せする必要があります。コピー圧縮が実行されます。

サーバーの現在のリリースに基づいてデータベースを 1 レベル戻す (Revert database one level back based on current release of server)

-r

データベースを圧縮し、そのデータベースを保管するサーバーの現在のリリースのファイル形式よりも 1 リリース前の形式に戻します。たとえば、Domino 8.5.3 以降のサーバーでこのオプションを選択すると、Domino 8 のデータベースが圧縮され、Domino 7 のファイル形式に戻されます。コピー圧縮が実行されます。

指定したデータベースの現在のリリースに基づいてデータベースを 1 レベル戻す (Revert database one level back based on current release of specified database)

-R

データベースを圧縮し、そのデータベース自体の現在のファイル形式よりも 1 リリース前の形式に戻します。たとえば、Domino 8.5.3 以降のサーバーでこのオプションを選択すると、Domino 8 のデータベースを圧縮した場合は Domino 7 のファイル形式に戻され、Domino 7 のデータベースを圧縮した場合は Domino 6 のデータベースに戻されます。コピー圧縮が実行されます。

圧縮の [圧縮方式] タブ

表 3. スタイル
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

オンライン圧縮 (推奨)

-b

オンライン圧縮を使用して、ファイルを圧縮しないで使用済み空き領域の解放のみを行います。ただし、データベースの構造変更が保留になっている場合は、コピー圧縮が実行されます。この方法での圧縮を推奨します。

ファイルサイズを縮小しながらオンライン圧縮

-B

オンライン圧縮を使用して、使用済み空き領域を解放し、ファイルを圧縮します。ただし、データベースの構造変更が保留になっている場合は、コピー圧縮方式を使用します。トランザクションを使用する場合は、圧縮終了後にデータベースの完全なバックアップを取ってください。

コピー圧縮方式

-c

コピー圧縮を使用します。このオプションは、データベースの破損問題の解決などに使用します。また、圧縮オプションと組み合わせて既存の文書だけでなく、まだ作成されていない文書を処理します。

コピー圧縮方式: 圧縮中にアクセスを許可する

-L

圧縮中にユーザーがデータベースにアクセスできるようにします。圧縮中にユーザーがデータベースを編集すると、圧縮がキャンセルされます。このオプションは、コピー圧縮方式を実行する場合だけに使用します。

コピー圧縮方式: エラーを無視して続行

-i

文書の破損などのエラーが発生しても、圧縮を続行します。コピー圧縮を実行する場合だけに使用します。

複製圧縮方式

-REPLICA

圧縮中にバックグラウンドで新規レプリカを作成します。新しく作成されたレプリカは自動的に名前変更されます。ソースアプリケーションは、実際の名前変更の処理時を除いてアクセス可能な状態を維持します。また、この表の 3 つのオプションパラメータのいずれかが指定された場合、そのパラメータを適用します。

複製圧縮方式: ID に対する制限を指定

-IDS_FULL

圧縮中に新規レプリカを作成しますが、レプリカを作成するのは、アプリケーション内の ID 用のスペースの使用率が、指定された nn % に達した後に限られます。

例:-IDS FULL=80 オリジナルアプリケーションの ID 用のスペースの 80% がいっぱいになると、レプリカが作成されます。

複製圧縮方式: レプリカの名前変更の待機時間を指定 (Replication-style: Specify wait for renaming replica)

-REN_WAIT

圧縮中に新規レプリカを作成します。レプリカの名前変更が行われるまで nn 分間待ちます。

例:-IDS FULL=10 圧縮プロセスで複製と同期が完了した後、名前変更の試行のために 10 分間を取ります。

複製圧縮方式: 名前変更の失敗時にサーバーを再起動 (Replication-style: Restart server on renaming failure)

-RESTART

圧縮中に新規レプリカを作成します。レプリカの自動的な名前変更が正常に行われなかった場合、サーバーを再起動し、サーバーの起動後にレプリカの名前変更を完了します。

圧縮の [カスタム] タブ

圧縮の詳細なオプションは、Domino Administrator の [ファイル] タブの圧縮ツールでは使用できません。

注: プロパティのオン、オフを切り替えるには、[カスタムプロパティの設定] を選択します。
表 4. 詳細
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

文書テーブルビットマップの最適化: オフ

-f

データベースプロパティの [文書テーブルマップの最適化] をオフにします。コピー圧縮が実行されます。

文書テーブルビットマップの最適化: オン

-F

データベースプロパティの [文書テーブルマップの最適化] をオンにします。コピー圧縮が実行されます。

特定の返答文書はサポートしない: オフ

-h

データベースプロパティの [文章の階層情報を使用しない] をオフにします。つまり、専用応答階層をサポートします。コピー圧縮が実行されます。

特定の返答文書はサポートしない: オン

-H

データベースプロパティの [文章の階層情報を使用しない] をオンにします。つまり、専用応答階層をサポートしません。コピー圧縮が実行されます。

トランザクションログの有効化: オフ

-t

トランザクションログを無効にします。

トランザクションログの有効化: オン

-T

トランザクションログを有効にします。データベースが開いているか閉じている場合は、Compact - T を使用します。閉じているデータベースで Compact - T を使用すると、ログが有効になりますが、データベースが開くまで Compact は記録されません。したがって、データベースを再び開くまで、ログは使用できません。

未読マークを使用しない: オフ

-u

データベースプロパティの [未読マークを使用しない] をオフにします。つまり、未読マークを使用します。

未読マークを使用しない: オン

-U

データベースプロパティの [未読マークを使用しない] をオンにします。つまり、未読マークを使用しません。

データベース設計の圧縮: オン

-n

データベースプロパティの [データベース設計の圧縮] をオンにします。新しいすべての設計要素が圧縮されます。

データベース設計の圧縮: オフ

-N

データベースプロパティの [データベース設計の圧縮] をオフにします。新しい設計要素が圧縮されなくなります。

文書データの圧縮: オン

-v

データベースプロパティの [文書データの圧縮] をオンにします。新しい文書内のすべての非サマリーデータが圧縮されます。

文書データの圧縮: オフ

-V

データベースプロパティの [文書データの圧縮] をオフにします。新しい文書内の非サマリーデータが圧縮されなくなります。

添付ファイルの LZ1 圧縮: オン

-ZU

添付ファイルをハフマン圧縮から LZ1 圧縮にアップグレードします。

注: 既存の設計要素または非サマリー文書データを圧縮または解凍するには、-n、-N、-v、-V のいずれかのスイッチとコピー圧縮方式のスイッチ (-c) を組み合わせます。たとえば、新しい文書データを圧縮するためのプロパティを有効にすると同時に、データベースで既存の非サマリーデータを圧縮するには、次の組み合わせを使用します。
-v -c

圧縮の [アーカイブ] タブ

文書をアーカイブするツールを使用してデータベースの文書のアーカイブと削除を行うとき、Compact のリストされたオプションを使用して文書をアーカイブできます。ただし、データベースがサーバーにあり、アーカイブの基本オプション [Domino サーバーベース] を選択してある場合に限ります。

サーバーのアーカイブオプションの詳細については、HCL Notes® ヘルプ のトピック「アーカイブが実行されるコンピュータとアーカイブが保存されるコンピュータを指定する」を参照してください。

注: Domino Administrator の [ファイル] タブの圧縮ツールでは、[データベースのアーカイブ] のオプションだけが使用できます。このオプションを指定すると、アーカイブの後で圧縮が実行されます。
ヒント: アーカイブ、圧縮、添付ファイルの統合の別の組み合わせについては、「圧縮の [DAOS] タブ」の表を参照してください。
表 5. アーカイブ
オプション* 同等のコマンドラインオプション 説明

アーカイブのみ*

-A

データベースの文書のアーカイブと削除を行います。データベースは圧縮されません。

アーカイブと圧縮

-a

データベースの文書のアーカイブと削除を行い、データベースの圧縮も実行されます。

削除後にアーカイブ

-j

データベースの文書の削除を行い、データベースの圧縮も実行されます。

圧縮の [DAOS] タブ

[Domino 添付ファイルとオブジェクトサービス (DAOS)] プロパティを有効化して新しい添付ファイルをデータベース内で統合することに加えて、リストされた圧縮オプションを使用すると、通常のデータベースまたはアーカイブデータベースのコピー圧縮を実行しながら、既存文書の添付ファイルを DAOS リポジトリに移動することができます。オンライン圧縮では、このオプションは使用できません。

注: この圧縮オプションの組み合わせは、既存のアーカイブデータベースではなく、新規作成のアーカイブデータベースに対してのみ機能します。
表 6. DAOS
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

Domino 添付ファイルとオブジェクトサービスを使用する

-c -daos on|off

オンに設定すると、既存文書の添付ファイルが DAOS リポジトリに移動され、次にデータベースが圧縮されます。オフに設定すると、添付ファイルがデータベースの NSF ファイルに移動されます。

新規作成のアーカイブデータベースで Domino 添付ファイルとオブジェクトサービスを使用する (Use Domino Attachment and Object Service in a newly created archive database)

-c -a -daos on

オンに設定すると、既存文書の添付ファイルが DAOS リポジトリに移動された後、新規作成されたアーカイブデータベースが圧縮されます。

圧縮 - ビューをデータベース外に移動

サーバー上の NOTES.INI ファイル内で NIFNSFEnable=1 プロパティが設定されている場合は、リストされた圧縮オプションを使用すると、ビューの索引を分離して保管できます。オンライン圧縮では、このオプションは使用できません。詳しくは、ビューをデータベース外に移動するを参照してください。

注: この圧縮オプションは、51 以降のオンディスク構造 (ODS) を持っているデータベース上でのみ機能します。
表 7. ビューをデータベース外に移動
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

使用できません

-c -nifnsf on|off

オンに設定すると、ビューの索引が NSF ファイルから分離して保管されて、データベースのパフォーマンスが向上します。ビューの索引は、NOTES.INI ファイル内の NIFBasePath 設定によって定義された場所に移動されます。オフに設定すると、ビューがデータベースの NSF ファイルに移動されます。

圧縮の [複製] タブ

表 8. 複製
オプション 同等のコマンドラインオプション 説明

複製圧縮方式

-REPLICA

圧縮中にバックグラウンドで新規レプリカを作成します。新しく作成されたレプリカは自動的に名前変更されます。ソースアプリケーションは、実際の名前変更処理と最終的な再同期時を除いて、アクセス可能な状態を維持します。また、この表の 3 つのオプションパラメータのいずれかが指定された場合、そのパラメータを適用します。名前変更/再同期時にローカルのアクセス機能によってデータベースが開いているか使用中である場合、データベースが次に開かれるまで、名前変更/再同期が延期されます。

複製圧縮方式: ID に対する制限を指定

-IDS_FULL

アプリケーション内の ID 用のスペースの使用率が、指定された nn % に達した場合にのみ、複製圧縮を実行します。

例:-IDS FULL 80 オリジナルアプリケーションの ID 用のスペースの 80% がいっぱいになると、レプリカが作成されます。

複製圧縮方式: レプリカの名前変更の待機時間を指定 (Replication-style: Specify wait for renaming replica)

-REN_WAIT

複製圧縮を実行する際に、圧縮操作でレプリカの名前変更を nn 分間試行した後、データベースが再起動されるか再度開かれるまで、名前変更を延期します。

例:-REN_WAIT 10 圧縮プロセスで複製と同期が完了した後、名前変更の試行のために 10 分間を取ります。

複製圧縮方式: 名前変更の失敗時にサーバーを再起動 (Replication-style: Restart server on renaming failure)

-RESTART

複製圧縮を実行する際に、データベースにアクセスする他のアクセス機能が原因でレプリカの自動的な名前変更が正常に行われなかった場合、サーバーを再起動し、サーバーの起動後にレプリカの名前変更を完了します。