名前変更要求の自動処理の構成

ボールトに Notes ID を持つユーザーの名前変更要求を自動的に処理するように、システム管理プロセスを構成できます。この機能を使用すると、名前変更処理を開始するために、ユーザーが Notes クライアントから Domino サーバーで認証を受ける必要がなくなります。

このタスクについて

V12.0.1 で導入されたこの機能は、HCL iNotes ユーザーと HCL Verse ユーザーを対象としています。Domino 12.0 以前のバージョンでは、iNotes ユーザーまたは Verse ユーザーの名前が変更された場合、ユーザーは Notes クライアントを使用して Domino サーバーで認証を行い、名前変更処理を起動する必要がありました。V12.0.1 では、新しいデータベース Admin Q (または「Admin Quick」) (adminq.nsf) を使用して名前変更要求を自動的に監視して処理することで、この要件を回避できます。

この機能を有効にするには、ドメインのシステム管理サーバーで次の notes.ini 設定を設定します。

ADMINQ_ENABLE=1

次のオプションの notes.ini 設定を使用できます。ドメインのシステム管理サーバーですべてを設定する必要があります。
  • ADMINQ_POLLING_SECS=<seconds>. これを使用して、AdminP が adminq.nsf で「処理が必要」要求をチェックする頻度を変更します。デフォルトは 60 秒です。
  • ADMINQ_WEB_ONLY=0. これを使用して、この機能を Notes クライアント・ユーザーにも適用します。デフォルトでは、この機能は iNotes ユーザーと Verse ユーザーにのみ適用されます。
  • DEBUG_ADMINQ_RENAME=1. これを使用して、この機能のデバッグを有効にします。

タスクの結果

名前変更要求の自動処理が有効になっている場合は、以下のステップが自動的に実行されます。
  1. システム管理プロセス (AdminP) は、 adminq.ntf テンプレートからデータベース「Admin Q」(adminq.nsf) を作成します。
  2. [古い変更要求の削除] 要求が毎晩実行されると、AdminP は Domino ディレクトリーで有効期限が切れていない [Domino ディレクトリーの変更] 要求を検索します。これらの要求は名前変更要求の直後に生成され、名前変更処理を開始するために、名前変更されるユーザーが Notes クライアントから Domino で認証を受けていないことを示します。
  3. AdminP は、有効期限が切れていない [Domino ディレクトリーの変更] 要求を見つけると、adminq データベースで名前変更されるユーザーのエントリーを作成し、その状態を「処理が必要」に設定します。
  4. 新しい AdminP スレッドは、1 時間ごとに「処理が必要」要求を検索します。見つかった場合は、ID ボールトで関連するユーザーの ID を更新します。このステップは、ユーザーが Notes クライアントでログインし、ID ファイルを ID ボールトと同期させるのと同じです。
  5. ID ボールトで ID が更新されると、AdminP は adminq.nsf のエントリーの状態を「処理済み」に変更します。「処理済み」のエントリーは 8 日ごとにパージされます。ID 更新が失敗すると、エントリーはエラー情報で更新され、再試行され、90 日後にパージされます。
  6. AdminP は、通常の名前変更要求フローを開始するために、[Domino ディレクトリーのユーザー名の変更] 要求を生成します。