サンプルに関連したプロビジョニングの問題

結果の品質を損なわずに大量のデータを処理し、しかも許容範囲内の所要時間で結果を得るには、セッションで推奨コンタクトを用意することに関連して特定の要件があります。

Contact Optimization が使用している戦略の 1 つは、推奨コンタクト・データをほぼ同じ顧客数のランダムなサブセットに分割し、これらのサンプルのそれぞれについて推奨コンタクトを最適化するという方法です。ご使用のハードウェアでマルチスレッドが構成されサポートされている場合は、これらの顧客サンプルの処理を同時に実行できます。

この顧客サンプルを使用する手法の副次作用として、間違った結果や部分的にのみ最適化された結果が得られる可能性があるという問題があります。セッションの実行に使用される顧客サンプル数は、PCT にある顧客数を構成パラメーター Optimize|AlgorithmTuning|CustomerSampleSize の値で割ることによって算出されます。それぞれのランダム顧客サンプルが、キャパシティー・ルールで使用される各フィーチャーに対して統計的に類似になるようにするには、各キャパシティー・ルールに合致する推奨コンタクトが十分な数だけ揃うことが重要です。

例えば、100 万件の顧客がある場合に、顧客サンプルのサイズを 1000 に構成したとします。この構成では、顧客サンプルが 1000 個あることになります。このとき、最小 1 件の E メール、最大 5000 件の E メールというキャパシティー・ルールをセットアップするとどうなるでしょうか。この例の場合、Contact Optimization は、ルールの制約を顧客サンプル全体に対して適用するように変更します。この例では、最大 5000 件の E メールという制約をサンプル数で割るので、各サンプルが最大 5 件の E メールという制約で処理されます。しかし、最小 1 件の E メールという制約はどうなるでしょうか。各サンプルに最小 1/1000 件の E メールが含まれるという制約は不可能です。

代わりに、ランダムに取り出した 1 つのサンプルを最小 1 件の E メールという制約により処理し、残りの 999 件のサンプルは E メールの最小数の制約なしで処理します。E メールを使用する推奨コンタクトの数が不足している場合を除き、この処理によって、1000 件のサンプルすべてに少なくとも 1 件の E メールがあることを問題なく確認できます。推奨コンタクトに E メールを使用するコンタクトが 500 件しか含まれていない場合は、特定の 1 サンプルに E メールが含まれている確率は 50% 未満になります。つまり、推奨コンタクトには最小数の 500 倍が存在するにもかかわらず、最小数の条件が満たされていないという理由でセッションがエラーで終了する確率は 50% を超えることになります。

この状況を回避するためには、キャパシティー・ルールで使用されるフィーチャーを、サンプル数に基づいて、サンプルを表すために適切なものに設定する必要があります。以下のシナリオは、この例です。100,000 の連絡先 ID が含まれている入力セル 1 があります。 それらはすべて 100,000 の個別のオーディエンス ID です。オファー 1 が入力セル 1 に割り当てられています。1 つの連絡先 ID が含まれている入力セル 2 もあり、オーディエンス ID は入力セル 1 にありません。オファー 2 が入力セル 2 に割り当てられています。1 つのキャパシティー・ルールは、オファーの最小値を 1 に設定し、連絡先 ID の最小値が 100,000 に設定されます。