エージェントマネージャのパフォーマンス向上

エージェントマネージャは、エージェントがサーバーで実行される時刻を制御します。エージェントが実行されるたびに、サーバーリソースが使用されます。スケジュールが設定されたエージェントやイベントによってトリガされるエージェントの実行を制御するには、サーバー文書と NOTES.INI ファイルで設定値を指定します。エージェントの実行時刻をカスタマイズすることによって、サーバーリソースを節約できます。ただし、エージェントの実行時刻が遅れる可能性もあります。

エージェントマネージャがエージェントを実行する頻度を制御する

NOTES.INI 設定で、エージェントマネージャがエージェントを実行する頻度を指定します。通常、エージェントの実行間隔を短くすると、タスクが実行される間隔も短くなります。ただし、エージェントの実行間隔を短くすると、必要となるサーバーリソースの量が増え、システム全体のパフォーマンスが低下することがあります。

AMgr_DocUpdateAgentMinInterval

同一文書の更新により起動されるエージェントの実行間での最短経過時間を分単位で指定します。この指定により、エージェントの実行間隔を制御できます。デフォルト値は 30 分です。これより長い間隔を設定すると、エージェントの実行頻度が少なくなり、サーバーへの要求も減少します。文書更新イベントが実行される頻度が少なくなると、実行時間の遅れも短くなります。

注: ここでの設定や他のエージェントマネージャ変数を 0 に設定しても、遅延時間が完全に無くなることはありません。

AMgr_DocUpdateEventDelay

エージェントマネージャによって設定される、文書更新イベント後に文書更新により実行されるエージェントの遅延時間を分単位で指定します。デフォルトは 5 分です。遅延時間を指定すると、文書更新イベントが発生しても、エージェントは指定された間隔よりも多くは実行しなくなります。エージェントが実行されると、その間に起こったイベントがあればそれらのイベントもすべて処理されます。これより長い間隔を設定すると、エージェントの実行頻度が少なくなり、サーバーへの要求は減少します。文書更新イベントが実行される頻度が少ない場合は、遅延時間を短くし、イベントが実行された後すぐにエージェントが実行されるようにできます。

AMgr_NewMailAgentMinInterval

この設定では、新規メールの配信によってトリガされるエージェントを実行するまでの最短の経過時間を分単位で指定します。デフォルトは 0 です (実行間隔は指定なし) 。AMgr_DocUpdateAgentMinInterval と同様で、間隔を設定すると、エージェントの実行頻度が減少する場合があります。

AMgr_NewMailEventDelay

この設定では、エージェントマネージャにより設定される、新規メールが配信された後、新規メールによってトリガされるエージェントが実行されるまでの遅延時間を分単位で指定します。デフォルトは 1 分です。AMgr_DocUpdateEventDelay と同様で、遅延時間によって、エージェントは指定した間隔よりも頻繁に実行されることはなくなります。エージェントが実行されると、その間に起こったイベントがあればそれらのイベントもすべて処理されます。これより長い間隔を設定すると、エージェントの実行頻度が少なくなり、サーバーへの要求は減少します。文書更新イベントが実行される頻度が少ない場合は、遅延時間を短くし、イベントが実行された後すぐにエージェントが実行されるようにできます。

DominoAsynchronizeAgents

この設定では、クライアントからのブラウザ要求によってトリガされる Web エージェントを、同時に (同期させて) 実行可能にするかどうかを指定します。デフォルトは 0 (一度に実行できるのは 1 エージェントだけ) です。この値を 1 に設定すると、複数のエージェントを同時に実行できます。これにより、エージェントの実行が高速化されます。ただし、一度に実行するエージェント数が多くなると、システム全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。変更するサーバー文書を開き、[インターネットプロトコル] - [Domino® Web Engine] タブをクリックします。[Web エージェント] セクションで、[Web エージェントを同時に実行] オプションを有効または無効にします。[Web エージェントタイムアウト (秒)] のデフォルト値は 0 (タイムアウトなし) です。

エージェントマネージャがエージェントをキューに入れる速さを制御する

エージェントマネージャでは、スケジュール設定が必要な新たなエージェントの有無を定期的に調べます。次の NOTES.INI 設定値は、エージェントがスケジュールキューに入れられるまでの間隔を制御します。

AMgr_SchedulingInterval

この設定では、エージェントマネージャのスケジューラを実行する間隔を分単位で指定します。有効な値は 1 分から 60 分までです。デフォルト値は 1 分です。

AMgr_UntriggeredMailInterval

この設定では、エージェントマネージャが、トリガが実行されていないメールを調べる間隔を分単位で指定します。有効な値は 1 分から 1440 分 (1 日) までです。デフォルト値は 60 分です。

エージェントマネージャがエージェントを実行する時刻を制御する

イベントによってトリガされるエージェントの作成や変更を行うと、エージェントマネージャにより、すぐにそのエージェントが実行されるようにスケジュール設定されます。これによって、新規文書がエージェントによってすぐに処理されます。次の NOTES.INI 設定で、次の実行までのエージェントの実行間隔を指定できます。この指定により、連続してトリガが実行されるイベントが発生した場合などに、エージェントが繰り返し実行されないようにできます。

直ちに実行するようにエージェントをスケジュール設定した場合は、それより前にスケジュール設定されたエージェントの後、可能な限り早くそのエージェントが実行されます。

これらの設定では、エージェントマネージャがいつエージェントを実行するかを制御します。

  • AMgr_NewMailEventDelay
  • AMgr_DocUpdateEventDelay
  • AMgr_DocUpdateAgentMinInterval
  • AMgr_NewMailAgentMinInterval

エージェントマネージャにかかる負荷をモニターする

使用中のサーバーが、エージェントマネージャが実行できるより早いペースでエージェントのスケジュールを試みると、メッセージ [AMgr:エージェントのスケジュールが一時停止されました (AMgr: Agent scheduling is paused)] がコンソールに表示されます。既にスケジュール設定されているエージェントをサーバーが処理しない限り、エージェントマネージャは新たなエージェントをスケジュールしません。このため、新たなエージェントの実行はわずかに遅れる可能性があります。

同時に実行するエージェントの数を制御する

エージェントを同時に実行することによって、負荷のかかりすぎているエージェントマネージャの負荷を軽減できます。これを行うには、サーバー文書の [サーバータスク]/[Agent Manager] セクションにある [同時に実行できるエージェントの最大数] フィールドを変更します。2 以上の値を指定すると、複数のエージェントを同時に実行できます。有効な値は、1 から 10 までです。デフォルト値は、日中は 1 で、夜間は 2 です。

同時に実行されるエージェントはそれぞれ、1 つの Agent Executive によって実行されます。現在実行している Agent Executive の数など、エージェントマネージャの状態のスナップショットを調べるには、サーバーコンソールで tell amgr status というコマンドを入力します。スケジュールされたエージェントのリストを確認するには、サーバーコンソールでコマンド tell amgr schedule を入力します。