データベースを圧縮する

データベースから文書や添付ファイルを削除しても、Domino® は直ちにファイルサイズを減らさずに、未使用スペースを再利用しようとします。この場合、データベースを圧縮しないと、Domino® が未使用ディスク領域を再利用できない場合や、分割されているためディスク領域を有効に再利用できないことがあります。

圧縮方法には次の 3 種類があります。

  • オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放のみ、ファイル非圧縮)
  • オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放とファイル圧縮)
  • コピー圧縮方式

オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放のみ、ファイル非圧縮)

この圧縮方法では、データベースの使用済み空き領域を解放しますが、ディスク上でのデータベースサイズは縮小しません。データベースのデータベースインスタンス ID (DBIID) は変化しないため、圧縮したデータベースとトランザクションログの関係も変化しません。ユーザーやサーバーは、圧縮中でもデータベースにアクセスしたり更新したりできます。この圧縮方法は、サイズが変化しないか大きくなることが予想されるデータベースに適しています。

オプションを指定せずに Compact を実行すると、トランザクションログが有効になっているデータベースは、Domino® によってすべてこの方法で圧縮されます。データベースを -b オプション (b は小文字) を指定して圧縮した場合も、Domino® により常にこの方法が使用されます。

ヒント: できるだけこの方法を使用してください。高速なのでシステムへの影響を最小限に抑えられます。

オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放とファイル圧縮)

この圧縮方法では、データベースの使用済み空き領域を解放すると同時に、データベースのファイルサイズを縮小します。使用済み空き領域の解放のみを行うオンライン圧縮より、若干時間がかかります。この圧縮方法では、データベースに新しいデータベースインスタンス ID (DBIID) が割り当てられます。このため、認定バックアップユーティリティを使用するユーザーは、ログが有効になっているデータベースをこの方法で圧縮した場合、圧縮終了直後にデータベースの完全なバックアップを取ってください。ユーザーやサーバーは、圧縮中でもデータベースにアクセスしたり更新したりできます。

オプションを指定せずに Compact を実行すると、トランザクションログが無効になっているデータベースは、Domino® によってすべてこの方法で圧縮されます。-B オプションを指定する場合も、Domino® によりこの圧縮方法が使用されます。ディスク容量を最適化するには、各週か各月に一度、全データベースに対して -B オプションを指定して Compact を実行することを推奨します。

コピー圧縮方式

コピー圧縮方式では、データベースのコピーを作成し、圧縮後に元のデータベースを削除します。このため、データベースのコピーを作成するために余分なディスク容量が必要になります。この圧縮方法では、基本的に、新しいデータベースを新しいデータベース ID で作成します。トランザクションログの対象となるデータベースにコピー圧縮方式を使用する (-c オプションを使用する) と、データベースに新しい DBIID が割り当てられます。このため、認定バックアップユーティリティを使用する場合は、圧縮終了直後にデータベースの完全なバックアップを取ってください。コピー圧縮方式では、ユーザーやサーバーは圧縮中にデータベースを編集できません。また、-L オプションを指定しない場合は、データベースをアクセスすることもできません。

Domino® Compact のオプションで、データベース構造の変更が必要になるデータベースプロパティを有効にした場合は、デフォルトでコピー圧縮方式が行われます。また、Compact を実行したときに、その対象となるデータベースの [データベースのプロパティ] インフォボックスで実行された構造変更 (パフォーマンス関連のプロパティの設定) が保留になっている場合も、この方式が使用されます。データベースのプロパティ [文書テーブルビットマップの最適化][文書の階層情報を使用しない] のオンとオフを切り替えると、データベース構造の変更が必要になります。

1. 3 つの圧縮方式の比較

特性

オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放のみ、ファイル非圧縮)

オンライン圧縮 (使用済み空き領域の解放とファイル圧縮)

コピー圧縮方式

オプションを指定しないで Compact を実行するとその方法が使用されるデータベース

ログが有効なデータベースのうち構造変更が保留になっていないもの

ログが有効でないデータベースのうち構造変更が保留になっていないもの

データベースのうち構造変更が保留になっているもの

その方法が使用できるデータベース

Current® release

Current® release

Current® リリース (-c が必要)

速度比較

速い

遅い

圧縮中にユーザーがデータベースを読めるか?

はい

はい

いいえ (-L オプションを指定しない場合)

圧縮中にユーザーがデータベースを編集できるか?

はい

はい

いいえ

ファイルサイズが縮小するか?

いいえ

はい

はい

余分のディスク容量が必要か?

いいえ

いいえ

はい

コピー圧縮したデータベースの名前を変更する

Domino® では、コピー圧縮したデータベースの名前変更を 1 回だけ試行します。NOTES.INI ファイルで Num_Compact_Rename_Retries 設定に値を指定すれば、続けて名前変更を要求できます。名前の変更は、変更に成功するか再試行の指定回数に達するまで Domino® により試行されます。たとえば、Domino® が名前変更をさらに 1 回試行するように要求するには、Num_Compact_Rename_Retries=1 と指定します。Domino® が名前変更をさらに 5 回試行するように要求するには、Num_Compact_Rename_Retries=5 と指定します。

Num_Compact_Rename_Retries 設定に値を指定した場合、Domino® は 30 秒待ってから、コピー圧縮したデータベースの名前変更を試行します。待機時間の変更は、NOTES.INI ファイルの Compact_Retry_Rename_Wait 設定の値を指定することによって変更できます。たとえば、Domino® が 2 分間待った後にコピー圧縮したデータベースの名前変更を試行するように要求するには、Compact_Retry_Rename_Wait=120 と指定します。

Domino® コピー圧縮方式で圧縮したデータベースの名前の変更を試行するときは、次の時間制限が強制されます。

Num_Compact_Rename_Retries  x Compact_Retry_Rename_Wait <= 60 minutes

データベースを圧縮するタイミング

データベースは各週か各月に一度、-B オプションを指定して圧縮し、使用済み空き領域を解放することを推奨します。認定バックアップユーティリティを使用する場合は、圧縮終了後に必ずそのユーティリティを実行してください。

次の場合にもデータベースを圧縮します。

  • トランザクションログなどの特定データベースプロパティの有効、無効を設定する。
  • 文書の削除とアーカイブが有効になっているサーバーデータベースで文書アーカイブツールを実行する。
  • 壊れたデータベースを修復する。
注: ログファイル (LOG.NSF) の [Database] - [Sizes] ビュー、Statistics Collector サーバータスクが生成するファイル統計レポート、[データベースのプロパティ] インフォボックスの [情報] タブは、どれもデータベースの使用率を報告します。この使用率は、使用ディスク容量の正確な指標ではないため、参考にしないようにしてください。