Notes® インストールクリーンアップユーティリティ (NICE) ツールを使用する

付属の Notes® Install Cleanup Executable (NICE) ツールを使用すると、失敗したインストール、失敗したアンインストール、失敗したアップグレードをクリーンアップすることができます。また、アップグレードインストールを実行する前に、このツールを使用して既存のバージョンの Notes® をアンインストールし、無関係のファイルをクリーンアップすることもできます。サポート対象の Windows プラットフォーム上の Notes® でのみ、このツールを使用することができます。このツールは、管理者が実行する必要があります。

このタスクについて

NICE ツール (nice.exe) は、Notes® インストールキットの Utility サブディレクトリー内で提供されています。Notes® の 6.5 以降のすべてのリリースで実行できます。

注: NICE ツールを実行する前に、Notes® クライアントのバックアップを検討してください。

このツールは、レジストリ設定値、プログラムファイル、Notes® ユーザーデータファイルなどの各種ファイルと設定を削除します。次に示すような値「xpdInstallLocation」または「XPD_INSTALL_LOCATION」が含まれた設定をレジストリで検索することで、該当するファイルとフォルダの場所が取得されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[UpgradeCode]
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[UpgradeCode]
HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\IBM\Lotus\Expeditor\[UpgradeCode]
HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE1]
HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE2]
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE3]
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE3]
HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE3]
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE1]
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE1]
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE2]
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\IBM\Lotus\Expeditor\[TARGETUPGRADECODE2]

このツールは、Notes® のプロセスとサービスが実行中かどうかを確認します。

NICE が特定のプロセスを検出すると、シャットダウンするように指示が出されます。NICE はそのようなプロセスを自動的に閉じることはしません。リストには、以下が含まれます。
  • notes2.exe
  • ntaskldr.exe
  • notes.exe
  • nlnotes.exe
  • sametime75.exe
  • nminder.exe
  • soffice.bin
  • soffice.exe
NICE は特定のサービスを検出すると、そのサービスを停止します。サービスリストには、以下が含まれます。
  • Notes® 診断
  • Multi-user Cleanup Service
  • Notes® Single Logon
  • Notes® Smart Upgrade Service
次に、NICE は以下の項目を削除します。
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\SharedDlls レジストリ設定に基づいた共有 DLL ファイル
  • Notes® ワークスペースディレクトリー (8.0 以降のリリースの場合) -- ユーザーのデータディレクトリー/ワークスペース
  • プログラムファイル ([すべてのプログラムファイルを削除 (Remove all program files)] チェックボックスまたはコマンドラインオプションが有効になっている場合) -- すべての \Program Files\IBM\Notes ディレクトリーの内容が削除されます (\Program Files\IBM\Notes\Data サブディレクトリーを除く)。
    注: NICE で前述の項目を削除するには、[データファイルの削除] を無効にしておく必要があります。
  • デスクトップのショートカット -- Notes®Domino® Designer、Domino® Administrator のデスクトップのショートカットが削除されます。同様に、該当する [スタート] > [プログラム] メニューのショートカットも削除されます。
  • Notes® データファイル ([すべてのデータファイルを削除 (Remove all data files)] チェックボックスまたはコマンドラインオプションが有効になっている場合) -- レジストリに指定されている Notes® データディレクトリーが削除されます。
注: NICE はレジストリキー HKLM\Lotus\Notes\Path を使用して、Notes® がインストールされている場所を判別します。また、Expeditor が Notes® プログラムファイル以外の場所にインストールされている場合、Expeditor の場所も検査します。
次の場合に NICE の実行を検討してください。
  • 新規インストール -- 既存の Notes® のインストールを削除して、レジストリを消去します。
  • インストールの失敗 -- レジストリからインストールバージョン (リリース) を検出し、システム上のレジストリ設定とファイルをクリーンアップして、同じリリースの新規インストールの準備をします。
  • アップグレードの失敗 -- レジストリからインストールバージョン (リリース) を検出し、システム上のレジストリ設定とファイルをクリーンアップして、新規インストールまたはアップグレードリリースの準備をします。
  • アンインストールの失敗 -- レジストリからバージョン (リリース) を検出し、システム上のレジストリ設定とファイルをクリーンアップして、新規インストールの準備をします。

すべての場合に、以下が発生します。

Notes® のバージョンがレジストリで検出されなかったが、ファイルがデフォルトの場所に存在する場合、そのファイルをディスクから削除するように求めるプロンプトが出されます。

たとえば、[プログラムの追加と削除] ダイアログボックスに Notes® のエントリがない場合は、NICE はレジストリ HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Lotus\Notes にキーがあるかどうかを検出して、そのレジストリから PROGDIR と DATADIR の情報を取得し、削除を行います。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Lotus\Notes にキーがない場合は、NICE は何も行いません。

[プログラムの追加と削除] に Notes® のエントリはないが、HKCU\Software\Lotus\Notes\Installer または HKLM\Software\Lotus\Notes のいずれかにレジストリキーがある場合は、そのレジストリ設定を削除できます。たとえば、[プログラムの追加と削除] に Notes® のエントリがない場合、NICE は HKLM\Software\Lotus\Notes から PROGDIR と DATADIR の情報を取得し、続けてプログラムファイルを削除し、ショートカットを削除し、レジストリを消去します。

手順

  1. Windows オペレーティングシステムに管理ユーザーとしてログインし、Notes® が実行されていない状態にします。
  2. NICE ツールを探して実行します。これを行うには、Notes® インストールキットの Utility サブディレクトリーから nice.exe 実行可能ファイルをダブルクリックするか、コマンドラインから nice.exe を実行します。
    ツールにより、既存の Notes® のインストールが検査され、インストールされているバージョンが通知されます。また、削除オプションを指定できます。
  3. オプション: \Program Files\IBM\Notesディレクトリー内の該当するファイルとフォルダを削除する場合は、[すべてのプログラムファイルを削除 (Remove all program files)] を有効にします。
    注: すべての \Program Files\IBM\Notes ディレクトリーの内容が削除されます (\Program Files\IBM\Notes\Data サブディレクトリーを除く)。
  4. オプション: レジストリに指定されているユーザーのデータディレクトリーを削除する場合は、[すべてのデータファイルを削除] を有効にします。
    注: Notes® がマルチユーザーモードでインストールされている場合は、[すべてのデータファイルを削除 (Remove all data files)] チェックボックスは使用不可です。
  5. [削除] をクリックして、選択したオプションで指定されたファイルを削除します。
    注: どちらのオプションも有効になっていない場合は、ツールはレジストリエントリのみを削除し、サービスを停止し、ディスク上のすべてのファイルをそのままにします。
  6. 確認プロンプトが出されたら、応答します。
  7. プログレスバーにより、クリーンアッププロセスの進行状況が示されます。クリーンアップが完了すると、NICE ユーザーインターフェースが閉じます。