メールのアーカイブとポリシーを理解する

管理者は、ポリシーを使用してメールファイルのアーカイブを中央から制御できます。メールファイルをアーカイブすると、古くなったり、使用されなくなった文書をアーカイブデータベースに保存することによって、ディスク領域が解放され、メールデータベースのパフォーマンスが向上します。

メールアーカイブデータベースは、Notes® データベースであり、他の Notes® データベースと同じようにアクセスできます。ユーザーのメールアーカイブのビューはメールファイルのビューをミラーリングするため、メールをアーカイブするときに存在していたフォルダはすべてそれに含まれます。このため、ユーザーはアーカイブデータベースの中から、アーカイブされたメッセージを簡単に検索、取得できます。

アーカイブポリシー設定を使用して、メールファイルの文書保存ポリシーを定義することもできます。文書保存ポリシーを使用して古い文書の条件を定義し、条件に合った文書をアーカイブせずにメールデータベースから単純に削除できます。

ポリシーにアーカイブポリシー設定を含めなくても、Notes® ユーザーはメールファイルのアーカイブ設定を使用してメールファイルをアーカイブできます。

メールファイルのアーカイブは、文書選択、アーカイブデータベースへのファイルのコピー、メールファイルのクリーンアップという 3 段階のプロセスで行われます。

  • [文書選択] -- アクティビティとフォルダ選択に基づき、どの文書をアーカイブするかを選択します。たとえば、365 日間変更されなかった文書を古い文書として定義します。条件を設定したら、その条件に一致するすべての文書をアーカイブしたり、条件に一致する特定のフォルダ内の文書だけをアーカイブすることができます。
  • [コピー] -- ソースメールファイルから選択した文書をアーカイブデータベースのコピー先にコピーします。
  • [メールファイルのクリーンアップ] -- アーカイブ済み文書を削除するか切り捨てることによって、ソースメールファイルのサイズを小さくします。アーカイブが文書を切り捨てる (サイズを削減する) ように設定されている場合、添付ファイルは削除され、さらにメッセージ本文全体が削除されるか、メッセージ本文中の 40 KB を超えるすべてのものが削除されます。

ここで示される情報は、Notes クライアントに適用されます。HCL iNotes® のポリシーを使用したアーカイブのセットアップの詳細については、関連情報の HCL iNotes® Administration 製品資料を参照してください。

クライアントベースのアーカイブとサーバーベースのアーカイブ

ポリシーを使用してアーカイブを管理する場合、サーバーベースのアーカイブかクライアントベースのアーカイブを使用できます。どちらの場合でも、サーバーにアーカイブできます。サーバーベース、クライアントベースとは、アーカイブプロセスが発生する場所、つまりサーバーで開始するかクライアントで開始するかを意味します。サーバーでアーカイブするときは、プログラム文書を作成して Compact サーバータスクを実行します。ただし、クライアントベースのアーカイブを行う場合、クライアントが起動されていないと文書をアーカイブできません。クライアントが起動されていないときにアーカイブをスケジュールしても、アーカイブは行われません。メールファイルは、次の場所にアーカイブできます。

  • [サーバーベースのアーカイブ] -- このオプションを使用すると、メールサーバーはメールサーバー自体、またはアーカイブサーバーとして指定された別のサーバーにアーカイブします。
  • [クライアントベースのアーカイブ] -- このオプションを使用すると、各クライアントがメールファイルのアーカイブを処理します。メールは、メールサーバー、指定されたサーバー、ローカルワークステーションにアーカイブされます。

例: メールファイルのアーカイブを管理するためのポリシーの使用

Renovations のシステム管理者は、以下のようなメールファイルのアーカイブの問題があるために、ポリシーベースのアーカイブがあることを知って安心しました。

  • メールサーバーのディスク容量に余裕がない。
  • Renovations では、中央アーカイブサーバーが必要。
  • 最も忙しい作業時間帯にアーカイブを実行できない。
  • エンドユーザーに自分のアーカイブ設定を制御することを許可できない。
  • Notes® クライアントが即時に公開されない。

Renovations のアーカイブの問題を解決するため、システム管理者は、以下のアーカイブポリシー設定を使用し、組織ポリシーを介してユーザー全員に適用します。

  • アーカイブ設定は管理者によって一元的に管理、強制される。ユーザーはアーカイブ設定を変更または作成できれない。
  • メールサーバーから指定のアーカイブサーバーへアーカイブするサーバーベースのアーカイブが有効。
  • 指定のアーカイブサーバーは Domino® 8 サーバーであるため、混合環境でポリシーを強制できる。
  • 作業時間外にアーカイブが行われるようにスケジュールを設定する。
  • オプションで、メールサーバーのディスク容量の残量に応じてプルーニング (メールの添付ファイルと本文を削除しますが、ヘッダー情報はそのまま残します) を行うと有効です。