スキーマデーモン

LDAP サービスは、サーバーで実行されると、一定間隔で実行されるスキーマデーモンを起動します。Domino® ディレクトリのシステム管理サーバーで実行されるスキーマデーモンは、スキーマの変更を導入し、この変更を、ドメイン内で LDAP サービスを実行している他の (下位の) サーバーに伝達します。各下位サーバーで実行されるスキーマデーモンは、システム管理サーバーから伝達されたスキーマ変更により、その LDAP サービスを更新します。[Domino® LDAP Schema] データベース (SCHEMA.NSF) は、スキーマ変更の伝達手段です。

スキーマデーモンは、ドメイン内で実行されている各 LDAP サービスで使用するスキーマが最新であり、サーバー間で矛盾のないものになるようにします。スキーマデーモンは、LDAP サービスが最初に起動したときに実行され、その後、デフォルトでは 15 分間隔で実行されます。

デフォルトでは、LDAP サービスは、Domino® ディレクトリのシステム管理サーバーで実行されます。LDAP サービスによってシステム管理サーバーで起動されるスキーマデーモンは、以下の処理を実行してそのドメインのスキーマを保守します。

  1. SCHEMA.NTF テンプレートから [Domino® LDAP Schema] データベース (SCHEMA.NSF) を作成します (このリリースでスキーマデーモンが初めて実行されたときと、その後、スキーマデータベースが削除されたとき)。
  2. 以下のファイルから情報を読み込んで、ドメインのスキーマをメモリ内に構築します。
    • ローカルの LSCHEMA.LDIF ファイルにある LDAP 標準のスキーマ要素。これらの要素は不変です。
    • 1 次 Domino® ディレクトリにあるフォームとフィールド。これらには、Domino 固有のスキーマ要素と、必要に応じて、フォームまたはフィールドとして追加された拡張スキーマ要素があります。パフォーマンスへの影響を考慮して、このステップは、デフォルトでは 24 時間に 1 回だけ実行されます。デフォルトの間隔を変更するには、NOTES.INISchema_Daemon_Reloadtime 設定を使用します。
    • このスキーマデーモンのローカルの [Domino® LDAP Schema] データベースの [Extended Documents] ビューにあるスキーマ要素。
      注: スキーマデーモンは、これらのファイルのうち複数のファイルに同じスキーマ要素が定義されていることを検出すると、次の優先順位で使用する定義を決定します。1) LSCHEMA.LDIF、2) Domino® ディレクトリ、3) スキーマデータベース。
  3. 初めて実行されたときに、メモリ内のスキーマを、ディスク上のスキーマデータベースの [All Schema Documents] ビューに発行します。その後、メモリにあるスキーマを、スキーマデータベースに発行した、ディスク上のスキーマと比較します。両者が異なる場合は、スキーマデータベースの [All Schema Documents] ビューを、メモリにある最新のスキーマで更新します。パフォーマンスへの影響を考慮して、このステップは、デフォルトでは 24 時間に 1 回だけ実行されます。デフォルトの間隔を変更するには、NOTES.INISchema_Daemon_Resynctime 設定を使用します。
  4. LDAP サービスを実行している下位サーバーの間でスキーマデータベースのレプリカの内容が異なる場合に、スキーマデーモンのローカルのスキーマデータベースを下位サーバー上のレプリカに複製します。この複製は、手順 3 の終了直後に接続文書を使用せずに行われます。下位サーバーにスキーマデータベースのローカルレプリカがまだ存在しない場合は、システム管理サーバーのスキーマデーモンがその下位サーバーにローカルレプリカを作成します。

ドメイン内で LDAP サービスを実行している各下位サーバーのスキーマデーモンは、以下の処理を行います。

  1. Domino® ディレクトリのシステム管理サーバーにある、スキーマデータベースのレプリカから、自分のローカルのスキーマデータベースに情報を複製します。この複製は、この 2 つのレプリカの内容が異なる場合に実行されます。

    スキーマデータベースのローカルレプリカが下位サーバーにまだ存在せず、システム管理サーバーが動作している場合、下位サーバーはシステム管理サーバーからレプリカをプルします。システム管理サーバーが使用できない場合、下位サーバーは、システム管理サーバーが使用可能になるまで、ローカルの LSCHEMA.LDIF ファイルと Domino® ディレクトリフォームを使用して、スキーマを決定します。

  2. 初めて実行されたときに、ローカルのスキーマデータベースの [All Schema Documents] ビューでディスクに発行されたスキーマをメモリに読み込みます。続いて、メモリ内スキーマを、ローカルのスキーマデータベースでディスクに発行されたスキーマと比較します。両者が異なる場合は、ローカルのスキーマデータベースに発行された最新のスキーマでメモリ内スキーマを更新します。
ヒント: 前述のタスクで説明した手順を手動で開始するには、サーバーコマンド Tell LDAP ReloadSchema を使用します。