スキーマを拡張する方法

スキーマを拡張するとは、スキーマに要素 (通常はオブジェクトクラスや属性) を追加することです。デフォルトのスキーマには、すぐにエントリに使用できるオブジェクトクラスや属性が多く用意されています。

スキーマを拡張する前に、スキーマを拡張しなくても使用できそうな既存の要素がデフォルトのスキーマにないか調べてください。例えば、dominoPerson オブジェクトクラスに属性を追加する必要がある場合は、dominoPerson について既に定義されている属性を使用できないか検討します。

必要な属性がデフォルトのスキーマに含まれていない場合は、カスタム要素を追加します。

スキーマを拡張するのに使用できる方法は 2 つあります。つまり、Domino® LDAP スキーマデータベース (SCHEMA.NSF) を使用する方法と、Domino® ディレクトリを使用してフォームとフィールドを追加する方法です。

注: Domino® に用意されている LSCHEMA.LDIF ファイルを修正する方法は、スキーマを拡張する方法としてはサポートされていません。このファイルは、デフォルトの Domino® LDAP スキーマで LDAP 標準のオブジェクトクラスを定義するために使用されるファイルです。

スキーマデータベース

[Domino® LDAP Schema] データベース (SCHEMA.NSF) を使用すると、スキーマの拡張が可能になります。スキーマデータベースには以下の機能があります。

  • 使いやすいインターフェースでスキーマを拡張できます。
  • 組み込みのエラーチェック機能により、スキーマ要素の有効性を確認します。
  • ドラフトスキーマ要素の作成をサポートします。これによって、ドラフトスキーマ要素をスキーマの一部として検討し、修正してから承認することができます。
  • オブジェクトクラス階層を簡単に作成できるようにします。
  • 組織に関連付けられているオブジェクト識別子 (OID) を、追加する要素に割り当てることができます。
  • 一致規則など、属性の LDAP 特性の定義や、属性に使用する標準 LDAP 構文の定義ができます。

スキーマデータベースを使用してスキーマに追加したオブジェクトクラスは、Domino® ディレクトリのフォームにはマッピングされません。したがって、これらのスキーマ要素で定義されたエントリをディレクトリに追加するには、管理者が LDAP 操作を使用することと、LDAP を介してのみエントリにアクセス可能であり、Notes® ユーザーと Web ユーザーには見えないことが必要です。

Domino® ディレクトリー

Domino® ディレクトリにフォーム、サブフォーム、フィールドを追加して、スキーマを拡張できます。この方法を使用すれば、Notes® ユーザーと Web ユーザーは新規スキーマ要素を文書として使用するエントリの作成や表示ができます。また、LDAP ユーザーもこの方法を使用してこれらのエントリにアクセスできます。この方法は、スキーマデータベースを使用する方法より時間がかかります。また、スキーマ定義に間違いがないように慎重に実行する必要があります。