インバウンドとアウトバウンドの SMTP 配信時に Domino® がグローバルドメイン文書を使用する仕組み

Domino® がメッセージを受け取ると、ルーターは Domino® ディレクトリのエントリで受信者のインターネットアドレスと一致するものがないか調べます。Domino® ディレクトリで受信者を検索するときに、アドレスのドメイン接尾辞がグローバルドメイン文書に定義されているインターネットドメイン別名と一致して、このアドレスを含むユーザー文書がない場合に、ルーターは 2 次検索を実行します。この 2 次検索では、ルーターはアドレスのローカル部分と、グローバルドメイン文書に指定されているプライマリインターネットドメインのドメイン接尾辞を対応付けます。

例えば、サーバーが craig_bowker@renovationswest.com 宛てのメッセージを受け取ります。このとき、ルーターが Domino® ディレクトリのすべてのユーザー文書でこのインターネットアドレスを検索しても一致が見つからないとします。ただし、Domino® ディレクトリには、ドメイン接尾辞 renovationswest.com がインターネットドメイン別名として含まれるグローバルドメイン文書があります。このグローバルドメイン文書では、プライマリインターネットドメインは renovations.com です。1 次検索が失敗すると、Domino® はアドレス craig_bowker@renovations.com を使用して 2 次検索を実行します。Domino® は、ルーターが [フルネームのみ] または [フルネームからローカルパート] を実行するよう設定されている場合にのみ 2 次検索を実行します。

Domino® ディレクトリにグローバルドメイン文書が複数含まれていて、2 次検索が必要な場合、元のアドレスのドメイン接尾辞をプライマリインターネットドメインのドメイン接尾辞に置き換えるときに、ルーターはインターネットドメイン別名が指定されているグローバルドメイン文書だけを参照します。つまり、Domino® は常にドメイン接尾辞を指定された 1 つの文書内で置き換えます。ある文書に指定されている代替ドメインを別の文書に指定されているプライマリドメインに置き換えることはありません。

ルーターがアドレスの検索時にドメインの別名を使用しないようにするには、グローバルドメイン文書にインターネットドメイン別名を設定しません。代わりに、グローバルドメイン文書を複数作成して、それぞれの文書に異なるプライマリインターネットドメインを 1 つずつ指定します。

Domino® ディレクトリにグローバルドメイン文書が 1 つ含まれる場合、この文書のアドレス構成のルールによってサーバーがアウトバウンドの SMTP メッセージの送信者アドレスを作成する方法が決まります。ただし、Domino® ディレクトリにグローバルドメイン文書が複数含まれる場合、送信者のアドレスの作成時には、Domino® はサーバー文書に指定されているインターネットドメインとディレクトリにアルファベット順で最後に指定されているグローバルドメイン文書に定義されているアドレス構成のルールを使用します。特定のグローバルドメイン文書に含まれるプライマリインターネットドメインとアドレス構成のルールを使用して送信者のアウトバウンドアドレスを作成するよう Domino® を設定する場合は、この文書をデフォルトのグローバルドメイン文書として指定します。

Domino® ディレクトリにグローバルドメイン文書が複数ある場合、そのうちの 1 つをデフォルトに指定して、この文書に指定されているプライマリインターネットドメインとアドレス構成のルールに基づいてサーバーが送信者のアウトバウンドインターネットアドレスを作成するようにします。