Jazz Team Server から WebSphere Liberty への置き換え - よくある質問

v9.0.1 以降の AppScan® Enterprise では、インストール占有スペースを削減し、ユーザー認証コンポーネントとしての HCL® Rational® Jazz™ Team Server (Jazz Team Server) を削除する、アーキテクチャーの再設計が採り入れられています。

  1. 正確には何が置き換えられますか、またその理由は?

    Jazz Team Server の削除に伴い、Apache Tomcat と WebSphere® Application Server のデプロイメント・サーバーは v9.0.1 ではサポートされなくなりました。これらは HCL WebSphere Application Server Liberty Core v8.5.5.2 に置き換わりました。Liberty は、HCL WebSphere の軽量バージョンです。Liberty は AppScan Enterprise に組み込まれているため、別途、インストールおよび構成の手順を実行する必要はありません。Liberty は、少ない占有スペースでリソースの使用を最適化します。Liberty を使用することにより、余分なデータベースでユーザーを管理する必要がなくなります。

    注: AppScan Enterprise v9.0.2 では、Liberty Server v8.5.5.2 のサポートが v8.5.5.4 に置き換わりました。
  2. WebSphere Liberty について

    HCL WebSphere Liberty は、WebSphere の軽量バージョンであり、より簡単にインストールおよび構成することができます。Liberty は、AppScan Enterprise 9.0.1 に組み込まれているため、ご使用の環境に余分なコンポーネントをインストールする必要がなくなります。

  3. どのようなオペレーティング・システムで稼働しますか?

    Liberty は、AppScan Enterprise と同じ OS で稼働します。つまり、Windows™ および Linux™ Redhat (AppScan Source の「ユーザーの管理」コンポーネントの場合のみ) です。

  4. v9.0.1 へのアップグレード時に、Jazz Team Server での設定はどうなりますか?

    アップグレード時に、Jazz Team Server フォルダーがバックアップされてインストール・フォルダー (JazzTeamServer.bak) に保管され、Liberty サーバーがインストールされます。LDAP で匿名アクセスが許可されない場合に備えて、静的資格情報は保持されません。構成時に、LDAP サーバーのユーザー名とパスワードを指定するようプロンプトが出されます。

  5. Jazz Team Server を使用する構成にロールバックできますか?

    AppScan Enterprise v9.0.0.1 にロールバックして、Jazz Team Server を使用することができます。v9.0.1 での新しい製品機能は、Jazz Team Server をサポートしていないため、いずれも利用できなくなります。

  6. LDAP 認証や Windows 認証を使用しない Jazz Team Server ユーザーが存在します。これらのユーザーをどのようにこの新しい認証方式にマイグレーションすればよいでしょうか?

    cd <install-dir>\Appscan Enterprise\JazzTeamServer\server\ repotools-jts.bat -exportUsers toFile=C:\users.csv repositoryURL=https://<hostname>:9443/jts を使用して、ユーザーの .csv ファイルをエクスポートできます。その後、AppScan Enterprise での Jazz Team Server ユーザーの Liberty へのマイグレーションに記載されている手順に従って、ユーザーを Liberty にインポートしてください。

  7. 他の HCL アプリケーションにまだ WebSphere Application Server を使用しています。v9.0.1 でのこれらの新しい変更による影響を受けないようにするために、何か行う必要がありますか?

    WebSphere Application Server は、Liberty と異なるポートを使用する場合、Liberty と共存できます。AppScan Enterprise の構成時に、Liberty のポート番号を 9443 から、別の番号を使用するように変更できます。

  8. Tomcat で稼働している AppScan Enterprise の ASC アプリケーションはどうなりますか?

    WebSphere Liberty プロファイルは、Tomcat と Jazz Team Server と ASC の組み合わせを置き換えます。Liberty プロファイルが作成されて、このプロファイルは AppScan Enterprise と同じインスタンス名を使用します。これらの変更はすべて構成ウィザードによって行われます。必要に応じて、WebSphere Application Server 内の ASC アプリケーションへの参照を削除することができます。AppScan Source を Oracle データベースと使用する場合に役立つように、アップグレード後も asc.properties ファイルが保持されます。

  9. 現在の環境に、ASE 用の Jazz Team Server とは別に、Rational Quality Manager 用の Jazz Team Server があります。これらは、両方とも同じ LDAP サーバーを指しています。AppScan Enterprise v9.0.1 から Jazz Team Server が削除されると、My RQM Jazz Team Server インスタンスはどうなりますか?

    これらの両方の製品は異なるバージョンの Jazz Team Server を使用するため、Rational Quality Manager が使用する Jazz Team Server のバージョンが、AppScan Enterprise v9.0.1 での Jazz Team Server の削除によって影響を受けることはありません。アップグレード時に、AppScan Enterprise インストーラーは、前のバージョンで使用していた Jazz Team Server を削除して、Liberty に置き換えます。新しい Liberty サーバーを使用して、LDAP サーバーを指します。Rational Quality Manager と AppScan Enterprise は、LDAP サーバーに登録されている同じユーザー・ベースを持っているため、ユーザーは引き続き両方の製品から認識されます。ユーザーを再入力するための余分な作業は必要ありません。

  10. AppScan Enterprise は、ユーザー・グループと LDAP グループの間のマッピングを保持しますか?

    はい。サーバー・ホスト、サーバー・ポート、基本 DN と UID のマッピングは保持されます。

  11. IIS をセキュアにするには Liberty に対する何らかの証明書が必要ですか?

    はい。サーバー証明書を持っていない場合は、認証局に証明書を要求することができます。その証明書を構成ウィザードで使用してください。証明書ストア内の証明書と Liberty 併用を参照してください。

  12. 米国連邦政府機関です。Liberty は FIPS 140-2 および NIST SP800-131a セキュリティー標準をサポートしますか?

    Liberty への切り替えは、前のバージョンで提供されていたサポート・レベルに影響しません。WebSphere Liberty プロファイルでの FIPS 140-2 または NIST SP800-131a の有効化を参照してください。

  13. Jazz Team Server に標準ポート番号以外の番号を使用しています。Liberty に移行しても同様に使用できますか?

    はい。標準ポート以外のポートの使用はサポートされています。構成中にデフォルト・ポートを変更してください。

  14. AppScan Enterprise の以前のすべてのバージョンからアップグレードできますか? 特殊なデプロイメント・シナリオの場合はどうなりますか?
    以前のすべてのバージョンから Liberty を使用するようにアップグレードできます。以下の表で、デプロイメント・シナリオごとにアップグレードがどのように行われるか説明します。
    表 1. さまざまなシナリオ

    アップグレード・シナリオ

    シナリオ 以前のバージョンから V9.0.1 へのアップグレード
    ローカル・サーバー上の Jazz Team Server + LDAP アップグレード時に、Jazz Team Server フォルダーがバックアップされてインストール・フォルダー (JazzTeamServer.bak) に保管され、Liberty サーバーがインストールされます。LDAP で匿名アクセスが許可されない場合に備えて、静的資格情報は保持されません。構成時に、LDAP サーバーのユーザー名とパスワードを指定するようプロンプトが出されます。

    構成時に、AppScan Enterprise には、インストール時に作成されたバックアップから多くの LDAP 設定が事前に取り込まれています。ユーザーが LDAP 設定を完了する必要があります。

    AppScan Source (LDAP ユーザーを SolidDB と使用) アップグレード時に、Jazz Team Server フォルダーがバックアップされてインストール・フォルダー (JazzTeamServer.bak) に保管され、Liberty サーバーがインストールされます。LDAP で匿名アクセスが許可されない場合に備えて、静的資格情報は保持されません。構成時に、LDAP サーバーのユーザー名とパスワードを指定するようプロンプトが出されます。

    構成時に、AppScan Enterprise には、インストール時に作成されたバックアップから多くの LDAP 設定が事前に取り込まれています。ユーザーが LDAP 設定を完了する必要があります。

    Windows 認証を使用する Jazz Team Server (Windows 認証を使用する AppScan Source にも適用されます) インストールおよび構成時に、必要なすべての設定が伝搬されます。ユーザーのアクションは不要です。
    リモート・サーバー上に Jazz Team Server と LDAP がインストールされている 構成時にプロンプトが表示されたら、ユーザーが LDAP 設定を入力する必要があります。必要に応じて、Jazz Team Server から ASC アプリケーションを削除できます。
    ローカル・サーバーまたはリモート・サーバー上に Jazz Team Server (JTS ユーザー認証のみを使用) がインストールされている それらのユーザーを手動で Liberty server.xml ファイルに追加する必要があります。このファイルは <install-dir>\AppScan Enterprise\Liberty\usr\servers\ase に保管されています。
    リモート・サーバー上に WebSphere Application Server と LDAP がインストールされている 構成時にプロンプトが表示されたら、ユーザーが LDAP 設定を入力する必要があります。必要に応じて、WebSphere から ASC アプリケーションを削除できます。
    AppScan Source (ASE Jazz Team Server ユーザーを使用) インストール時に、AppScan Enterprise は、Tomcat 上の Jazz Team Server をアンインストールして、設定のバックアップをとってから、Jazz Team Server を削除します。構成時には何も変更されません。
    AppScan Source (LDAP ユーザーと Oracle ソース DB を使用) asc.properties ファイル内のファイル・パスを Jazz Team Server から Liberty に変更してください。Oracle データベースへの AppScan Source LDAP 接続のアップグレードを参照してください。